
- 富樫 孝幸
- 有限会社 プラネット環境計画 代表 一級建築士
- 東京都
- 建築家
対象:住宅設計・構造
今日も蒸し暑い東京です。
台風の影響でしょうか。
ここ数年、夏になるとバケツをひっくり返したようなゲリラ豪雨の日があります。
これからもこのような激しい雨の日は、続くと思います。
このゲリラ豪雨、タイ、ラオス、ミャンマーなど東南アジアのような亜熱帯地域の気候と似ています。
タイのバンコクは、国際都市という意味では東京以上です。
世界中の企業が拠点を設け、欧米人も多く働いています。
このバンコクも雨季になるとゲリラ豪雨が毎日のように降ります。
わずか1時間くらいのあいだに道路が冠水し、クルマも進めなくなる状態です。
タクシーに乗っているとドライバーから「これ以上は進めないからここで降りてくれ」と言われ
靴を脱いで両手にもち、ホテルまで歩くこともしばしば。
毎年このようなゲリラ豪雨が降るバンコクはどのように対処しているかというと
・歩道の段差が高い。
東京の歩道の倍くらいの高さがあります。
・エントランスが高い。
道路からスロープ状や階段でつくり冠水の被害を少なくなるようなつくりになっています。
・水につよい床材。
1階の床はテラコッタや石の床材がほとんどです。
そして、
・地下階がない。
住宅や中規模ビルにはほとんど地下を設けていません。
地下駐車場もほとんどありません。
東京などでは、地盤面とフラットなエントランスの建築や地下駐車場、地下街など
いたるところにあります。
今まで設計した地下のある住宅の雨や水害対策
・地下水位の高い場所では、地下付き住宅を提案しない
・良好な地盤であること(地盤改良や杭工事を行わない場所)
・ドライエリアの外部壁の立ち上がりを高くとる(冠水してもドライエリア内への流入を防止する)
・ドライアリアピットの深さを充分にとる(ゲリラ豪雨でもオーバーフローしない容量)
・揚水ポンプを2台設置する(1台が故障した場合、他の1台が雨水をくみ上げる)
これからの設計は、こういう亜熱帯地域に学びそこに住む人や利用者に
被害の少ない方法を考えることも必要になってきます。
それにしても、台風の進路が気になります。
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