- 江藤 繁
- 有限会社エストア 代表取締役社長
- エクステリアコーディネーター
対象:エクステリア・外構
- 久保田 優一
- (ガーデンデザイナー)
エクステリア アイテムの取付高さ<郵便受けポスト編5>
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前回は【郵便受けポスト】の設置場所による動線の変化と、
有効な動線のお話を致しました。
“動線”は短い方が一般的には良いのですが、
全てを短くすることは不可能なので重要性の高い作業を
優先して動線を検討することが必要です。
この重要性の高さとは、
行う作業の頻度や家族の年齢などを基に、それぞれの重要度を持ち寄りながら、
ユニバーサルデザインの考えを持ってその家族にとっての重要度を確認して行くことです。
ある作業は毎日何度も行う場合(トイレ・食事など)は慎重に検討し、
自室から作業を行うスペースへの距離や作業を行うスペースの充実度を上げることが大切ですが、
1年に数回しか行わない作業の場合(季節行事など)は効率的にというよりも、
多少奥でもしっかりと収納出来、いろいろと手前の荷物を掻き分けながらも引っ張り出して、
その作業を行える状態で良いのではと思うのです。
また、年寄りのトイレ作業と若者の場合では大きく違いますね。
ですから年寄りの方がトイレに近い動線にし、
若者は遠い動線で対応する様なことが大切なポイントとなります。
この様にメリハリを設ける事で住空間はその家族にとって快適な状態となり、
収納問題や不必要品の処分の検討にも繋がり、物に埋め尽くされた空間を卒業出来るでしょう。
随分と話が脱線してしました。
【郵便受けポスト】の話に戻したいと思います。
【郵便受けポスト】はこれまでにお話した室内へ直接投函出来るタイプと、
玄関ドア回りに設置する場合とをお話致しましたが、
この他の設置方法で多く用いられているのは外塀の門扉回りや、
機能門柱として道路の出入り付近等に設置する場合、
【郵便受けポスト】にスタンド(ポール)を取付けて好みの場所に設置する様になります。
こうした設置のケースでは郵便物の取り出し作業に、
ある程度の労力が必要と認識した設置方法となります。
玄関を出て門扉付近へ行くのは、前回までにお話させていただきました2パターンからすると
“動線”が長くなりますので労力と言う観点は仕方がない状態と思います。
しかし、近年に於ける【郵便受けポスト】のデザイン性がかなり向上しているため、
住宅のデザインとマッチングさせてみたり、機能性よりもセンスの良さを演出する役割も持つ様になっています。
また、近年の住宅事情からオープン外構に人気があり、
背の高いフェンスなどで家を囲ってしまうデザインが急速になくなり、
一定の範囲で間口を広げ土地や空間を広く見せるデザインが主流となりつつあります。
こうした背景を基に【郵便受けポスト】は住宅のデザインの一端を担う様になっているのです。
まだまだ続きます。
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