- 杉浦 繁
- Atelier繁建築設計事務所 代表
- 愛知県
- 建築家
対象:住宅設計・構造
お国の決めてくれた設計料の基準では、ちょっと高すぎて・・
そんな値段じゃ誰も仕事をくれないので。
ではないか?
あまりにも実勢価格とかけ離れているので・・
通常、我々のような設計事務所や建築家などに・・
本来的な業務を一式依頼をされた場合。
設計料というのは予定工事費の何パーセントという料率で頂くのが普通です。
もちろん、そういう算出方法でない、お国の決めた算出法やその他の算出法を用いる人もいるのではありますが・・
それはかなりの少数派です。
たとえば予定工事費が3000万円の木造住宅だとします。
予定工事費というのは、お客さんがいくらで建てて下さいと頼んだ建物の価格のことです。
これに対してうちの場合だと、設計・監理料の料率が10%。
つまり3000万円×0.1で300万です。
建物の構造種別によっては代わってきますが、木造住宅の場合です。
これに、現場などまでの距離とか、敷地の状況とか、構造計算の種別とかを加味して多少増減し・・
もちろん、値切られることも、あるわけですが・・。
この料率のパーセンテージが、その人、その設計事務所、その建築家によって違うわけです。
そうそう、この料率っていうのは・・
実は、建物予定価格が上がれば上がるほど下がります。
たとえば、予定価格が1億円になれば、料率は6%に、つまり600万になります。
木造住宅の場合ですがね・・
違う建物、違う構造なら、ならまた変わります・・
設計料を料率で決める際の設計料とは、実は本来的な設計・監理業務のことを言います。
ここで言う本来的な業務というのは・・
基本的には「企画・デザイン・プランニング・設計・構造・申請・監理・コディディネート・検査」
さらには「アフターサービス・保険・保証」
などなど、までのことを言います。
これら全てが設計事務所の本来の業務ということなのです。
しかし、場合によって、あるいはそのお客さんによって、やり方によって・・
上記の本来的な業務は一部だけ行うこともあるわけで・・
たとえば、住宅メーカーなどの設計などであれば、設計事務所が行う業務は「設計・申請」だけです。
それ以外の、「企画・デザイン・プランニング・構造・監理・コディディネート・検査・アフターサービス・保険・保証」は全てメーカーが行いますので、それだけの設計料になります。
お客さんが、設計士さんと直接打ち合わせしたい、なんていってお話ししてたりしても、その設計士さんの直接のお客さんは実はそのメーカーなんです。
不動産屋や工務店で建てる住宅などの場合は「設計・構造・申請・コディディネート・検査」などになり、その他は工務店が行いますので、それだけの設計料。
つまり、設計料というものは、どれだけの仕事をするのかによって変わって来ます。
それから、当然なことなのですが、その建物の構造の状況によって設計料は料率から変わります。
構造計算や申請審査がどうゆう物になるのかによって違うからです。
さらには、建物の種類によっても設計料は変わってきます。
当然、難しい建物は大きさや構造が同じなら高くなります。
そして、大きさが大きくなると、それに比して設計料の料率は下がってきます。
よく設計料の料率なんて普通は3%だとか、5%だなんて言う人がいらっしゃいますが・・
それはマンションとかアパートやビル・工場など大きな建物の場合の料率です。
きっと、お仕事で会社の何かを建てたときの料率だったのでしょう・・
元の予定工事費が大きくなるので料率は小さくなるんです。
大きくても小さくても一軒は一軒・・
設計図の物量以外、設計監理という仕事の内容はそんなにかわらないんです。
Atelier繁建築設計事務所HP
http://homepage3.nifty.com/ateliershigeru/
Blog:よもやま建築日記
http://ameblo.jp/ateliershigeru/
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