- 奥山 裕生
- 奥山裕生設計事務所 主宰
- 東京都
- 建築家
対象:住宅設計・構造
さらに、子どもの行動の特性は、
普段から観察していないと気づかないものです。
それに応じた具体例をいくつかご紹介すると、
玄関周辺の壁は子どもたちの手垢ですぐに汚れるので、
あらかじめ手が触れそうなところに手摺や棚、手掛け材を設けておく。
リビングの近くあるいはリビングのコーナーに手洗いを設ける。
おもちゃは子どもが自分でしまえる高さに収納を設ける。
掃除機をかけている間は音で赤ちゃんの様子がわかりにくいので、
その時間が短くて済むような間取りにする。
細かいことばかりですが、挙げるとキリがありません。
子どもがもう少し成長したら、
リビングに家族全員分の勉強・書斎カウンターを造作したり、
子どもの工作作品などが飾れるニッチを造作しておくのも
いいアイデアだと思います。
育児・家事に対する小さな配慮の積み重ねが、
暮らしやすさに直結するというのが私の実感です。
とはいえ子どもの成長は早いもの。
あまり子ども中心につくり込む必要もないと思います。
可変性も大事です。
育児・家事をリアルに体験した身でも、
そこは住宅設計のプロとしてバランスを取ることが
やはり重要だと考えています。
我が家の娘は11歳。私の事務所も開設11周年を迎えました。
建築家としての私の成長よりも娘の成長のほうがはるかに早いのが悩みどころです。(笑)
ちなみに今も育児生活は続いていて、
仕事は17時に一旦終了、食事、洗濯、子どもの宿題を見て、
22時から仕事再開という日々を送っています。
(奥山裕生設計事務所主宰・奥山裕生)
「OZONE子育てふぁ~む」オープン時の「O-cube」掲載エッセイを一部加筆しています。
(おわり)
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