- 中村 英俊
- 株式会社第一広報パートナーズ 代表取締役 広報コンサルタント
- 東京都
- 広報コンサルタント
対象:広報・PR・IR
- 中村 英俊
- (広報コンサルタント)
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■株式会社タニタの事例(2-1)
皆さんは株式会社タニタという会社を御存知でしょうか?恐らくTANITAというローマ字の社名ロゴを認識されている方は多いのではないでしょうか。偶々上手い広報事例をみつけたのでご紹介させて頂きます。
そもそも株式会社タニタは、体重計や歩数計、血圧計などの計量機器の製造販売会社。創業は大正12年(もう少しで創業90周年)で、昭和34年からヘルスメーターの製造を始めた歴史ある企業。
加えて平成4年に世界で初めて「体内脂肪計」を発売した会社でもあり、「体脂肪」という言葉の名付け親でもあるそうです。名実ともにリーディングカンパニーと言えるでしょう。
しかし今では高付加価値のヘルスメーターは乱立し、リーディングカンパニーとしての地位を維持するのが難しかったのか、具体的な課題や目的は解りませんが、本年1月に本を出版し、半年で60万部売れたそうです。
タイトルは、「体脂肪計タニタの社員食堂500kcalのまんぷく定食」です。文字通りタニタの社食でのレシピを公開したもので、家庭の食事を預かる主婦やダイエットを意識したOLなどにヒットしているそうです。
またこの本の出版を記念して「500kcalのまんぷく定食レシピコンテスト」なども実施し、販売促進ツールとしても多いに活用し、加えてタニタの認識度の更なる向上に寄与したものと考えます。
■「自身の特長を出す」が大事(2-2)
タニタの取り組みで重要なのは、自身の特長を上手く活かしている点。一般的に販売促進などでは、奇をてらったものや、如何に目立つかなどエッジを効かせるかに四苦八苦するものが多いのではないでしょうか。
外注費を掛けてイベントを行う、また新たな切り口を作ったり見つけたりと如何に注目を浴びるかに特化するケースが多いですが、タニタは出版という手法ではありますが、自身の特長を上手く訴求出来ていると言えます。
まず乱立するメーカー群から差別化を訴求するために、「体脂肪計と言えばタニタ」を強調している点。そして自社の社員食堂で実践している取り組みからレシピを紹介していることも大きなサプライズと言えるでしょう。
加えて成人の1日あたりの摂取カロリーは2000kcalとも言われているが、500kcalで満腹になるということも意外性として寄与しているでしょう。実際にレシピを提供することで、メインターゲットに直に訴求できます。
そして一般的には本業と自身は別と言わんばかりの企業が多い中、会社自身が取り組んでいることを紹介することで、信用や信頼、身近さなどといった情報も発信出来ているのではないでしょうか。企業広報の要素も強い。
メッセージを強く打ち出したいがために、外部環境から切り口を集めてくることも重要ですが、本来何を伝えたいのかというメッセージの本質を見極め、まず自身の中から切り口などを探し出すことが重要かと思います。
【ポイント】
1.「奇をてらうこと」と「伝わること」は別問題
2.本来伝えたいメッセージの本質を見極めることが重要
3.まず最大限、切り口は社内から発掘せよ
ご参考:広報力向上ブログ
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