- 永野 修
- 株式会社FPフェアトレード・ジャパン 代表取締役
- 熊本県
- ファイナンシャルプランナー
対象:保険設計・保険見直し
保険の見直しを考える前に
知らないことで損しているあなたのお金
生命保険・医療保険をお悩みの方は本当に多い。
住宅ローンを持っていて教育費が塾などで支出増になっているが収入は上がらない。
保険料を削減したいが保険担当者に言うと入院したら高額がかかりますと言われた。
そういう方があとをたちません。
そこで私が自ら体験した父親の長期入院で医療保険の是非を考えて見たいと思います。
わたしは父親を成人T型白血病という病でなくしました。
当時の状況は大学病院の個室に4ヶ月間入院。個室ベット代は15000円~30000円程度と言われました。
治療代は15日ごとの精算で最初の請求書には53万円と書いてあって驚きました。
4ヶ月の入院で400万円弱の請求でした。
しかしそこには個室ベット代は入っていません。(理由はのちほど)
貯蓄は約130万円、保険は生命保険なし、医療保険は1日3000円のみです。
我が家の最大のピンチといっても過言ではありませんでした。
使える知識を考える・・・それは保険ではない!!
当時の私は今と違いみなさまと同じように『お金のことを知らないことで損している』1人でした。
『なんでもっと保険に入ってないんだ』と考えてました。今から考えれば無知はコワイものです。
しかし、もう後の祭りです。その日から本当のお金の実践勉強が始まりました。
当時使った知識
・健康保険・・・・高額療養費、高額療養費貸付制度、傷病手当金
・個室ベット代に関する厚生労働省の通達(特別環境室に関する通達)
・医療保険の請求
などです。
順を追って書いてみたいと思います。
差額ベット代はかならずしも必要では無い
入院して最初にしたことは病院に対する『交渉』です。
個室ベット代(差額ベット代)が16000円~30000円程度と言われていたのでどう考えても支払不可能です。
しかし、わたしの父のように治療上必要な場合には差額ベット代は請求できないとなっています。
それを最初に病院に告げていました。 だから請求に差額ベット代が入っていないのです。
16000円×120日=192万円 払っていたかと思うとコワイです。
高額療養費は知らないと使えない。
次に調べたのが高額療養費制度です。
簡単に言えば約9万円(食事代除く)の自己負担分だけ支払えばそれ以上は高額療養費制度を利用すれば
治療費の負担はありません。
しかも4ヶ月目からは44400円の自己負担になります。
病院ごと、月ごとなど注意点がありますので詳細は調べて下さい。
単純に考えれば(9万円×3ヶ月)+44400円=314400円・・・実際はもうすこしかかりましたがこれが医療費です。
十分貯蓄でまかなえる額でした。
しかも医療保険が1日3000円×120日=36万円もらいました
私たちからすれば医療費は高額療養費があるので問題ではありませんでした。
むしろ問題は違うところにあったのです。
入院代より深刻な生活費と住宅ローン・・・傷病手当金の利用
入院しようと就業不能であろうと深刻なのが生活費と住宅ローンでした。
通常であれば長期入院で就業不能時の最初は有給休暇を使用するところですが
すでに使い果たしていた。そのときに助かった制度が傷病手当金です。
これも簡単に書けば就業不能時などで収入が途絶える時、4日目から最長1年6ヶ月
1日あたりの収入の2/3の金額が給付されるという制度です。
しかし当時の収入100%で精一杯暮らしているのに66%になってしまったら34%分は間違いなく足りませんし
入院している病院に通う交通費などを考えると頭が痛い問題でした。
貯蓄と傷病手当金はありましたが住宅ローンは深刻でした。
経験から学んだこと
知識を用いて4ヶ月何とかしましたがもうギリギリでした。
医者から延命処置の話が出た時もこれ以上は出来る状況ではありませんでした。
ここで父親とのお別れです。
住宅ローンは団体信用保険の適用になりますのでそのまま住むことができます。
母親の生活は遺族厚生年金により十分とはいえませんが十分生活できます。
学んだことは住宅ローンの重さと収入がないことの大変さでした。
病院の入院・治療代はあまり問題ではありませんでした。
・教訓は住宅ローンを払っていても貯蓄ができないといけない
・住宅ローン支払時はムダな保険料は百害あって一利なし。であること
・制度は請求しないともらえませんので知らないと使えない
今、わたしはそのときの経験を活かして住宅ローンで大変な思いをしている方をサポートしております。
長文をお読みいただきましてありがとうございました。
この経験談を読んでもまだムダな保険料を払い続けますか?
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