- 宮原 謙治
- 霧島住宅株式会社
- 工務店
対象:住宅設計・構造
最近、『二世帯住宅を建てたいのですが・・・』という相談を若者世帯から受けることあります。
よく話を聞いてみると、自己資金は少ない・土地は親の土地・建築費も自分たちの住む部分のみを住宅ローン・親が子どもを見てくれる・・・・・・。
こんな時、『打算的同居ですね!』と言いますと、否定はしません。だって当たっているのですから・・・。
■二世代・三世代の家族が同居して暮せることは、家系繁栄の証しとして幸福の条件を満たしているといえます。
■理想的な家庭とは、老人と共に平和に暮すことであります。かつての日本の家族制度は二世代や三世代の同居は、ごく普通のことであって、子供は親に、若者は老人に仕え、孝養をはげむことが当然の義務として守られてきました。
■しかし、姑と若者達の間には必ずしも理解があった訳ではなく、両者に忍耐と寛容と思いやりがなければ、その家庭は愛憎による不幸なドラマが繰りかえされていたのです。
■またその反面、世代の違った老人の生活体験を活かし、若者達は人生の哲学を身につけ、豊かな情緒と共に知性、感性も磨かれました。
■このように、家庭は社会の縮図として、世界中で最も 「縁」 の身近な者達の集合体であり、運命共同体としての小社会を構成してきたのです。
■この小社会が平和に生活するためには、それなりのルール(規則)が確立していなければなりません。
すなわち家庭という小社会のルールは、社会のルールの原点です。封建制度の時代は、儒学的思想によって若者は老人に従うルールが確立し、そのルールが家庭生活で習慣化されていました。 (続く)