- 谷口 哲男
- FP業務部 課長
- ファイナンシャルプランナー
対象:生命保険・医療保険
シングルの方の保険見直しのご相談を承っておりますと、かなりの確率で登場する保険があります。
その一つに養老保険という保険があります。
まず養老保険とは、保障される期間内に死亡時の場合、保険金がでます。
これは、保険ですので当たり前のことです。
しかし、この養老保険は、保障期間内に死亡しなくても、保障期間終了時(満期時)に満期保険金として保険金がでます。
よって、この保険については、万一の時の保障というよりも、満期時のお金を積み立てるという貯蓄の意味合いで加入される方が多いです。
一昔前は、掛け金に対して倍近くになって戻ってきたというほど、貯蓄としても魅力的な商品の一つでした。
しかも、保険ですので10年以上の長期で契約するケースが多く、高い金利時代に加入された保険は、長期間高い金利で運用され、「お宝保険」とも言われております。
一方で、近年の低金利化ではどうでしょうか?
一部には、満期時に戻ってくるお金(満期保険金)が払い込んだ保険料よりも少なくなるケースがあります。
これでは、貯蓄を目的に加入されたとしたら、何の意味があるのでしょうか?
普通に考えれば、意味がないと思われるので加入などしないのですが、昔加入していた養老保険の満期がきたので、その満期金を使って再加入するケースが多いです。
この場合でも、冷静に以下のような算数で計算すれば、貯蓄として意味があるのかないのかが明確なのですが、昔の契約ではかなりお得感があった余韻が、その冷静さを失わさせているのかもしれません。
<誰でも分かる!養老保険損得勘定計算式>
(お得な場合) 主契約保険料(月払) ☓ 12ヶ月 ☓ 満期までの期間(年数) < 満期保険金額
(損する場合) 主契約保険料(月払) ☓ 12ヶ月 ☓ 満期までの期間(年数) > 満期保険金額
※様々な特約が付いている場合がありますので、それを考えると複雑になりますので、シンプルに主契約保険料を基準に計算してみてください。
ここで大切なことは、まず
1. 死亡時の保障は必要か?ということをもう一度考えること。
2. 貯蓄としてメリットがあるかどうかの計算をする。
もし、万一の時の保障が不要で、貯蓄をしたいというのであれば、今は養老保険(特に積立型)はおススメできません。
せっかく払う大切な保険料。
自分自身の将来に必要な保障(医療、介護、年金)や将来の貯蓄に活かせるように考えてみてはいかがでしょうか?
このコラムに類似したコラム
あるじゃん「おすすめ保険カタログ」 平野 直子 - ファイナンシャルプランナー(2012/07/20 17:00)
最先端の治療と保険 大村 貴信 - ファイナンシャルプランナー(2020/01/14 14:36)
就業不能の保険てなに? 植森 宏昌 - ファイナンシャルプランナー(2017/11/14 00:45)
生命保険の基礎知識 高橋 成壽 - ファイナンシャルプランナー(2014/08/28 10:00)
みずほ銀行が朝日生命と組んで、団体医療保険で離れ業 釜口 博 - ファイナンシャルプランナー(2014/04/07 15:18)