- 佐山 希人
- 佐山建築研究所 一級建築士事務所 代表取締役所長
- 建築家
対象:住宅設計・構造
壊してみてわかったが、やはり外壁の通気工法は大切だと実感した。14年前ほど前、一般の工務店はそんな工法は必要ないと言っていたところも多かった。採 用した通気工法のある3階棟とあえて採用しなかった2階棟の外壁廻りの躯体の状態には歴然と差が出た。やってみて初めて経験値として知恵に刻まれるが、そ の代償は大きい。通気工法を採用しなかった2階の棟は、外壁の強化をするために通気層をもうけ、もう一枚外皮を造ることとした。
また、私 の場合、外壁に構造耐力壁として合板を使用することはほとんどないが、やはりそれは間違っていなかったと確信。万が一、水が回ってしまった場合その腐朽が 激しいのだ。経験上、シロアリやくろあり、ムカデなどが、その合板の繊維方向に木部を喰いながら入り込むことが多い。水が回らなければ問題ないが、それを 絶対に防ぐことは不可能と考えた方がよい。その合板に構造的な機能の一部を負担させるのは大きな掛けになる。念入りに防水されたディテールや雨掛かりのな い内部での構造的使用はあるだろうが、できるだけそれのみに頼ることはできるだけ避けたい。そのことを再確認できた。
暑い夏。築14年目の現場から目が離せない。
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