- 山本 雅暁
- グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
- 神奈川県
- 経営コンサルタント
対象:経営コンサルティング
- 戸村 智憲
- (経営コンサルタント ジャーナリスト 講師)
マイクロソフト,日本で医療IT事業 電子カルテを共有:に学ぶ戦略
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皆様、
こんにちは。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。
8月13日付の日経新聞に、 『マイクロソフト、日本で医療IT事業 電子カルテを共有』のタイトルで記事が掲載されました。
主な内容は、以下の通りです。
『米マイクロソフト(MS)は日本の病院向け情報システム事業に参入する。メーカーごとに規格が異なる電子カルテを簡単にやり取りできるソフトウエアを開発し、大病院と診療所が患者の診療情報を共有できるようにする。
日本では政府が医療サービスの高度化と医療費抑制を目指して電子カルテの普及を急いでおり、医療(情報技術)市場が拡大すると判断した。成長が期待される医療関連市場ではパナソニックや富士フイルムが事業強化策を打ち出すなど、異業種の参入が活発になっている。
MSは東芝子会社の東芝メディカルシステムズやJFEスチール子会社のJFEシステムズと共同で病院向けシステムを構築する。このほど立川病院に試験システムを納入した。
他のシステム会社とも組み、今後3年間に30以上の病院にソフト導入を目指す。
システムは地域の中核病院に導入する。インターネットを介して小規模病院や診療所と接続し、診療所と接続し、診療録などの電子カルテや検査画像をやり取りできるようにする。
日本の電子カルテの普及率は大病院で5割弱、診療所は1割弱。統一された規格はなく、富士通やNECなどの独自規格が乱立している。MSのシステムはほぼすべての規格に対応。異なる規格の電子カルテが簡単にやり取りできる。
ソフトの価格は20の病院を結ぶ場合で500万円から。。。』
先ず、注目したいのは、日本のITメーカーである、富士通やNECの動きです。
顧客の利便性や低コスト化でのサービス提供を考えると、電子カルテの規格を共通化するのが常識的な考え方です。
ところが各日本メーカーは、独自規格で商品化したため、互換性が取れません。
顧客目線の利便性や低コスト化などを、共通した規格、つまりプラットフォームで実現しようという考えは存在しません。
また、政府が規格の共通化にどの程度イニシアチブを発揮したか判りません。
2009年9月5日付の日経新聞によると、『開発会社ごとにシステムの方式が異なりデータの共有や取り込みが難しいため、厚生労働省はシステムやデータ形式の標準化を促している。』となっていますが。。。
この間隙を突いてきたのが、MSです。
MSは、メーカーごとに規格が異なる電子カルテを簡単にやり取りできるソフトウエアを提供し、どのメーカーの規格にも対応できるようにする。
汎用ソフトを転用するため従来に比べ2~3割は導入費用を下げられるということです。
MSは、異なる規格で作られた資料ソフトの互換性を保証し、東芝メディカルシステムズのようなデータ、システムの維持管理を行う、医療用のシステム会社と組んで、プラットフォームを支える事業に集中するやり方を取りました。
MSの互換性ソフトウエアは売れると考えます。そして、日本市場の医療ソフトのプラットフォームになるでしょう。
結局、外資にプラットフォーム構築を助けてもらう事になります。
プラットフォームを制する者は、市場を制します。
日本企業は、国内を含めたグローバル市場で戦う時に、プラットフォームをどう構築していくか真剣に考え実行していく事が重要です。
よろしくお願いいたします。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁
このコラムの執筆専門家
- 山本 雅暁
- (神奈川県 / 経営コンサルタント)
- グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上
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