ママチャリ的考察

オーダー家具のおはなし 2010-01-26 21:33

久しぶりに休日な気分です。
でもしなくちゃいけないことがいろいろとありまして、その一つが妻の自転車の修理。
昨年の秋にあった娘のお遊戯会に自転車で出かけた時に見つけた後輪の大きな振れ。帰ってみてみるとスポークが2本も折れていた。じゃあ調整だって思って、対向するスポークのニップルを回したらポキッて折れて、合計5本のスポークが折れてしまったのです。
4年乗っていただけででそんなに簡単に折れてしまうのかしら・・。

そんなわけでそのまま年を越してしまって、いけないいけないと思い、以前母が乗っていた自転車からスポークを取り外してホイールを組み直すことにしたのです。
で、作業を始めたのが午前8時、そして終わったのが午後9時。途中、いろいろ用事があったけれども、こんなに時間が掛かるなんて。一日が終わっちゃいましたね。
うーん、何より時間が掛かったのはホイール自体を直すことよりも、ホイールを自転車から外すことと、外したホイールを自転車に組むことでした。

思うに、ママチャリと呼ばれるシティサイクルって、私の乗っているようなスポーツサイクルと違って、とても生活に近い、もはや道具と読んでも良いくらい身近なものだと思うのです。
それが、ホイールの上にギアがついていて、その上に泥除けのステー、そして後の荷台のステー、そして、センタスタンド、とママチャリ自慢の機能的なパーツが全てホイールの軸に固定されるようになっちゃっている。だから、ホイール一つ外すのに、全ての機能的なパーツを外さなくちゃならない。これは全く機能的な作業じゃない。（笑）
さらにホイール自身にブレーキのユニットがついているから、それも外さないと裸のホイールにならない。スポーツサイクルだと、ホイールはホイール。ブレーキはブレーキ。ギアはギアがそれぞれ独立して外せるようになっていて、作業が比較的簡単で覚えやすい。こんなに複雑な組み立て方になっていると、もうある程度自転車の組み方が変わっている私でも、ここで作業を止めようかな・・って思ってしまうのです。
雨が降っても大丈夫な泥除け。
荷物がつめる荷台。
変則不良のない内装タイプの変速機。
故障しづらいローラーブレーキ。
チェーンの油がつかないようにしてあるチェーンボックス。
全てが便利な機能だけれど、とっても作業がしにくいのです。そしてとっても重たいのです。
こうなると、使う人が自分でメンテナンスすることが難しいんです。
そうすると、みんな自転車から離れて行っちゃう気がするんです。

家具も一緒で、自分たちで使っていくことができるものじゃないと使っていこうと思わないのではないかと思います。
「使っていくことができる」とは、ただ家具を使うだけではなくて、
傷がついたらこうやって治すとか、
時々ツヤを出すためにオイルを塗ってあげるとか、
引き出しに無理に物を詰め込んだりしないとか、
扉のネジが緩んだら閉め直して調整するとか。

家具も道具です。
道具は、自分たちに使いやすいように手を入れて使ってこそ使いやすくなるし、愛着もわきます。
そういう気持ちになれる家具をたくさん作っていきたいなあって、何となく寒いベランダで油にまみれて考えていたのでした。