〔第三回〕インレタを使ってみる(基本編) - クリエイティブ制作全般 - 専門家プロファイル

浜田 智美
株式会社トッカシステムズ 代表取締役
東京都
Webプロデューサー

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対象:クリエイティブ制作

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〔第三回〕インレタを使ってみる(基本編)

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プロダクツ インレタ・クロマティック

前回は、インレタを作るのに必要となるものを説明しました。今回は、作ってみたインレタを使ってみます。

 

インレタを使ってみる(基本編)


(1)、インレタを確認

表現したい図柄などが配置されたフィルムと、薄い紙がセットになっています。この紙はインレタの糊の部分が乾燥・劣化しないよう保護するため、また、空気中のほこりなどが付着しないようにするためのものです。万が一、インレタにほこりが付いてしまうと、インレタからほこりだけを取り除くことは困難です。また、ほこりが付いたまま転写してしまうと、転写面にほこりが残ってしまい段差が生じてしまうなど、問題がおきます。僅かなほこりでも細かなインレタであれば目立ってしまいます。インレタは非常にデリケートですので、保管する際は常に一対で管理してください。


(2)、転写面の確認

同様に転写面もきれいにしておきましょう。インレタがきれいであっても転写面にほこりなどが残っていたら、インレタを綺麗に保管した意味がありません。また転写面に油脂などが付着していれば、きれいに取り除いてください。


(3)、転写部分をフィルムから切り抜く

転写をきれいに行うには、フィルムから転写部分を切り抜いてください。転写しない部分も残っているシートで、そのまま転写しようとすると、大抵は転写したくない部分まで転写されてしまったり、フィルムからから剥がれてしまったりと、うまくいきません。ですので、はさみなどを使用し、慎重に、丁寧に切り抜いてください。なお、カッターで切り抜こうとすると、フィルムをおさえる際に圧力がかかってしまい、転写するつもりがなくとも転写がされてしまう可能性もあります。ですので、カッターは使わないようにしましょう。また、切り抜く際は、転写したい図柄から少し余白を作って切り抜くと、転写面への仮留めにも効果的です。


(4)、転写面の位置決め

転写を行いたい部分を切り抜いたら、転写を行う位置を決めます。位置が決まったら高品質なマスキングテープで、フィルムを転写する位置に仮留めします。仮留めの際、セロハンテープや低品質なマスキングテープなどを使用すると、転写面に糊が残ってしまうケースがあるため、できるだけ高品質なマスキングテープを使用しましょう。また、転写したい図柄の上にマスキングテープを張ってしまうと、『バーニッシャー』で擦る際、力が伝わらず転写されません。マスキングテープとフィルムを貼るときは、フィルムの余白を使い仮留めしましょう。


(5)、転写する

位置が決まったら実際の転写です。転写には必ず先端が丸くなった『バーニッシャー』という道具を使いましょう。この道具は模型屋などで手に入ります。爪楊枝やボールペンの先端でも転写は可能ですが、バランスよく加圧ができないために、インレタが潰れてしまったり、上手くいかないことが想定されますので、転写専用の『バーニッシャー』を使うようにしましょう。

転写時はフィルムの上から、過度な力を入れず、均等な力で慎重に擦ります。ここで擦り漏れや、力が足りないと転写がされないこともあります。一方、力を入れすぎると、インレタが潰れたり、転写面が傷ついたりしてしまうので、細心の注意が必要です。

また、力のバランスは、転写を行うインレタによっても調整が必要です。鮮度の良いインレタは糊が生きているため、力をあまり加えずに綺麗に転写が可能ですが、一方、古くなったインレタは糊が乾いてしまっているケースが多く、しっかりと擦らないと転写がされません。ですので、都度加減をみつつ転写を行う必要があります。


(6)、転写後

転写後は、インレタと一対で管理する薄い紙を使い、糊の補強を行います。具体的には、転写面に付いたインレタの上に薄い紙をかぶせ、バーニッシャーで軽く擦ります。フィルムの上からではないので、力が伝わりやすいですから、やさしく全体をまんべんなく擦りましょう。これをすることにより、糊の固着が図れます。


(7)、保管する

使用後は、密封できるチャックの付いたビニール袋などに入れて、冷暗所で保管してください。日光にあたる場所や、明るい場所であると、インレタの劣化が進んだり、色が減退してしまいます。また密封せずに保管し、その場所の風通しが良いと、糊が乾いてしまいます。しっかりと保管を行えば、長い間使用でき、丁寧な保管を行わなかった場合と比べ、寿命が大きく異なりますので、是非しっかりと保管を行いたいところです。


以上がインレタの基本的な使い方です。次回は、応用的な使用方法について説明します。ぜひこれを機会にインレタを使ってみてはいかがでしょうか。

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