〔第二回〕 インレタをつくるには？

前回、インレタとはどのようなものか、おおまかな内容をお伝えできたかと思います。今回はインレタを作るのに必要となるものを、具体的に説明します。

インレタを作るのに必要なもの

（1）、表現したい図柄などのデータ（線画：Adobe Illustrator によるAIファイルが一般的）

（2）、インレタの製作費用（製作業者でデータを版を製作、版からインレタを製作する際の費用）

ここで、AIデータの用意ができない場合、弊社をはじめ業者で有料でデータを制作するサービスがあります。この際、実物をスケールダウンして表現する場合などは、できるだけきれいな実物の写真などを用意しておくとよいでしょう。また、実物がない場合などは、そのサイズ・寸法を明確にして、紙などに図示しておいてください。データを製作する場合は、表現したい図柄を所定のインレタのサイズ内に並べてください。並べる際には、転写の際にミスがあることも考えられますので、予備の個数を勘案して並べましょう。また、間をつめて並べればたくさん並びますが、あまりつめすぎると、転写部分を切り抜く際、また、転写面に仮留めする際に、使用しづらくなりますので注意しましょう。

版製作については、既に版を持っている場合、また、自信で用意される場合は、これらを使用しインレタを製作することも可能です。この場合、インレタの製作にかかる費用のみで製作が可能です。逆に、インレタを一から製作する場合、一般的に版製作の料金もかかります。インレタ料金のみではインレタを作ることができませんので注意が必要です。

さらに、製作に際し以下の点を整理しておいてください。

（3）、インレタは何色で構成されるものなのか

（4）、どの程度の細かさが要求されるものなのか

インレタの色数は製作時に大変重要な要素となります。一般的にインレタは１色の図柄などを表現する際に使われますが、複数の色で構成される図柄を表現することも可能です（一部の業者では対応していない場合もあります）。この場合、データは各色ごとにレイヤーで分けて制作してください。なお、複数色のインレタ製作では、版を色ごとに制作する必要があり、色数分の版製作費用が必要です。また、同様にインレタの製作費用も、通常は１色あたりの費用で表示されていますので、製作費用のイメージは、特に注記がない限り、表示されているインレタ料金×色数となります。ですので、色ごとに１枚ずつインレタを製作する手もあります。但し、複数の色で構成された図柄などを同じフィルムで表現できた方が、転写時のミスなども防げ、格段にきれいに行えます。特段の都合がない限り、複数色で構成される図柄は、複色のインレタで製作するとよいでしょう。また、製作するインレタの細かさによって、出力を行うレベルも変わります。どの程度の表現を必要とするのか、明確にしておくとよいでしょう。

インレタの完成後に必要となるものも、併せて挙げておきます。（詳細は後の回で説明します）

（5）、インレタ転写ツール（バーニッシャー）

（6）、マスキングテープ（高品位なもの）

（7）、はさみ etc

以上を踏まえてインレタ製作業者へ発注を行ってください。インレタの製作のみの場合、一般的には３日程度での納品（商品到着）がなされますが、余裕を持った製作期間を考えておくのがベストです。次回はこのインレタを使ってみます。