- 中山 幹男
- 株式会社A&Mコンサルト 代表取締役
- 大阪府
- 経営コンサルタント
対象:経営コンサルティング
- 戸村 智憲
- (経営コンサルタント ジャーナリスト 講師)
当社のクライアント先の4月~6月の売上状況を見ていると前年比20%~50%ダウンの企業が多い。新聞紙上では景気浮上の兆し有のコメントがでているが、現実はまだまだのようである。このような状況下で経営施策として何をすればよいのかコメントしたい。
先日、クライアント先で今期の経営方針発表があった。社長からは今期の経営環境化で守りの施策として設計、購買、生産のコストリダクション、一時休業日の設定等の話、攻めの施策として付加価値製品の開発強化の話があった。 この社長の話で「厳しくとも人員削減は避けたい」「製品開発の為に開発投資は下げない」「組織全員で痛みを分かち合い頑張ろう」三つの言葉が強烈に記憶に残っている。 企業によっては収支を合わす為、縮み思考で固定費削減、いわゆるリストラのみを主要施策として展開しているところが多い。これでは一過性で利益が出たとしても、将来的な事業の継続は望めない。「入るを量りて出づるを制す」の言葉のように守りと攻めの両輪の経営施策が必要である。守りの施策は固定費の削減だけではなく、特に変動費の低減が重要と考える。製品の構造、仕様の変更、あるいは部品の共用化等の設計的な視点による製品コスト低減、造り易さの追及、工法、工程改善による生産コスト低減、集中購買、開発購買等の購買改善によるコスト低減の三視点により変動費の低減を徹底して実行する必要がある。 また、攻めの施策はメーカであればやはり売れる商品を開発する事である。当然、販売部門の営業方法の改革、改善も重要であるが、顧客がほしくなる商品を市場投入する事が売上増加につながる。トヨタのプリウスは18万台受注し、ユニクロのヒートテック(下着)、ブラトップはヒットしている。 成熟市場でも顧客のニーズを開発し、適応した商品を開発すれば売れる事がまさに実証されている。 ピータードラッカーが企業の使命は顧客の創造であると説いているように、顧客が望む商品を開発し、顧客を獲得できれば売上増加が期待できる。しかし、一方でこの売れる商品を開発する為にはな研究開発が必要である。一過性では売れる商品を開発できない。 トヨタのプリウスもユニクロのヒートテックも長期間の要素技術研究開発の結果により、技術の完成度を上げる事ができ、製品の市場投入ができたと思う。またこの為には、先述の社長の言葉のように継続的な開発投資(人・物・資金)も必須である 余談であるがユニクロの柳井会長兼社長がピータードラッカーを経営の師匠と仰いでいるように 私も経営コンサルタントである立場からこの著名な経営学者兼経営コンサルタントを尊敬している
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