住宅断熱基礎講座/高高が分かってる事務所の見分け方 - 住宅設計・構造設計 - 専門家プロファイル

野平 史彦
株式会社野平都市建築研究所 代表取締役
千葉県
建築家

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対象:住宅設計・構造

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住宅断熱基礎講座/高高が分かってる事務所の見分け方

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住宅断熱基礎講座 05.高気密・高断熱の課題
05-2:高気密・高断熱が分かっている設計事務所の見分け方

 さて、それでは高気密・高断熱住宅を設計事務所の設計で建てたいと思っている人はどうすればいいのでしょうか?

 住宅の設計をしている設計事務所は一般に殆ど営業活動はしませんし、設計事務所で自分の理想の住宅を建てたいと思っても、いったいどこに頼んだらいいのか分からない、という人が殆どだと思います。例え通りがかりに設計事務所の看板を見付けたって実際にはなかなか飛び込みで相談に行くことなどできないものです。

 事実、設計事務所といっても住宅の設計が得意だとは限りません。一級建築士が建築士の資格としては一番上のものであり、どんな規模の建物も設計できるので頼りがいがありそうなのですが、実はこの一級建築士ほど木造住宅が苦手であると言えます。

 一人でやっているような小さな事務所より、何人もスタッフを抱えている大きな事務所の方がいいかといえば、こと木造住宅については事務所の規模は全く関係ありません。

 少し大きくてもデベロッパーの下請けでマンションの図面ばかり描いている所もあれば、建築士の資格のない工務店にくっついて確認申請業務の代行を専門にやっている小さな事務所もあります。

 そうした中から自分の理想の家を実現してくれる設計事務所を見付け出すのは至難の業と言えます。それで、住宅雑誌などを見て気に入った家があったりすると、そこに載っている設計事務所に電話をしてみたりするのですが、デザインは気に入っても、では「高気密・高断熱」が分かっている設計者なのか判断がつかない?

 そういう時には次の質問をしてみてください。

1)なぜ、高気密にする必要があるのか?
2)なぜ、計画換気が必要なのか?
3)なぜ、外壁に「通気層」を設けるのか?

 最低この3つの質問に的確な答えが返ってくれば、その設計者は「高気密・高断熱」の知識を持っていると判断できます。(答えは高断熱デザイン住宅お任せnetの住宅断熱基礎講座へ)

 あとは実際にその設計者が多少とも実際に高気密・高断熱住宅を手掛けたことがあるかどうかです。手掛けたことがあるならその家を見学させてもらいましょう。手掛けたことがなければ、いくら理論を知っていても現場での様々な問題に対処できない可能性がありますので、避けた方がいいでしょう。

 いづれにしても、設計者と会って話してみることです。大事なお客さんなのですから、相談だけでも嫌がる人はまずいませんし、弁護士のようにちょっと相談しただけで相談料を取られることもありませんので、気軽な気持ちで色々な設計事務所の人と話をしてみることをお勧めします。