屋根の断熱・遮熱 - 住宅設計・構造設計 - 専門家プロファイル

野平 史彦
株式会社野平都市建築研究所 代表取締役
千葉県
建築家

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対象:住宅設計・構造

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屋根の断熱・遮熱

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現場から大地に還る家を考える 大きな木の下の家
「大きな木の下の家」は、外壁はセルロースファイバーの充填断熱となるが、屋根はネオマの外張り断熱となる。
屋根の断熱・遮熱を考えるとセルロースファイバーの方がいいのだが、今回はラーチ合板をインテリアにそのまま見せるデザインとしたので、必然的に外張りとなった。

屋根の外張り断熱の場合、垂木は納まり上3重になる。
ここではネオマの3×6版を縦に二つ割りにしてセットし、中垂木で挟み込む。
その上に遮熱シートを張り、上垂木(通気垂木)を乗せ、その上に合板、ルーフィング、ガルバ屋根となる。

最近の住宅では「遮熱」が考慮されるケースが多くなって来たが、最近よく使われているリフレクティクスとかアストロ-Eといった遮熱シートは要注意である。
これらは透湿性が殆どないので野地板の上に直接張ると湿気が抜けなくなってしまう。
これらを正しく使うには本来、2重通気としなければならなくなる。
しかし、そうしている現場はまず見た事がない。
遮熱の効果は得られるかもしれないが、ゆくゆくは野地板が腐って来るだろう。
10年以上経ってからの話しだから、設計者も瑕疵担保責任は逃れられる、という訳か?
いや、ただ分かっていないだけの話か!?

ここで使っている遮熱シートは、透湿防水遮熱シートである。
遮熱、防水しながら、湿気を通す、という訳である。