BYSプランニングの釜口です。
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今回のコラムは、「生命保険募集人には契約締結の代理権はない」というお話をさせていただきます。
では、生保募集人は何をする人なのか?
実は、ただ単に保険契約を媒介しているだけです。
賃貸住宅を紹介して、手数料で商売をしている不動産賃貸業の営業の方といっしょです。
賃貸住宅の場合、アパートやマンションに入居する賃貸人と、そのオーナーさんとの直接の契約になりますよね。
生命保険の場合、保険加入者である消費者と、保険提供者である保険会社が、直接の契約を結ぶのです。
なぜこんなことを、あえてお伝えするのかと言いますと、保険募集人が口で言ったことや、その場で書いたことは、契約上全く権限を持たないということなのです。
さらっと書いていますが、この言葉は非常に重いのです。
例えば、貧血気味で調子が悪い時だけ、病院で薬を貰っている被保険者に対して、生保募集人が「継続して通院しているわけでなければ、告知書には『いいえ』と書いてもかまわないでしょう」と言ったとしても、その言葉は契約上なんの効力もありません。
生保募集人は「契約を媒介しているだけ」という内容は、約款に書いてあることですので、もし生保募集人が言った通りに告知したとして、その契約の保険金がおりなかったとしても、契約者が約款受領印を押している限りは、契約者は非常に弱い立場となります。
したがって、いくらその募集人が○○生命という会社名が載った名刺を差し出したとしても、その募集人には契約の権限があるわけではないという事実を、理解していただきたいと思います。
反対に、損保代理店の募集人は、損保会社が扱う商品について、契約締結の代理権を与えられています。
つまり損保代理店が言ったこと、書いたことというのは、契約上効力があるのです。
募集人の立場からすると、損保代理店は生保代理店よりもリスキーな仕事なのです。