村上春樹氏の新作『1Q84』が発行部数で100万部を突破したそうです。
活字離れが叫ばれて久しい中、
このような大ベストセラーが誕生したことは
素直に喜ばしいことだと思います。
人の成長にとって、活字文化の役割は大きいと思います。
日々の仕事に追われていると、
読書が実務書など実践に即役立つ本中心になり、
小説や哲学書などからはどうしても遠ざかってしまいます。
「時間のある学生時代にもっと感性を豊かにしたり、
思考を鍛えるような本を読んでおけばよかった。」
人生も後半になって悔やんでいます。
最近読んだ本に
『りんごが教えてくれたこと』(日経プレミアシリーズ)
という本があります。
自然栽培でりんごを作ることに成功した木村秋則さんの、
苦難に満ちた道のりと日本の農業への思いを書いた本です。
ある方から「ビジネスに通じるものがあるから」と紹介された本。
(やっぱり動機が即物的です。)
現在資本主義の戦略商品と言われる原油や鉱山資源。
しかし、それ以上に
近未来において確保が困難になると予想されているのが「食糧」です。
先週土曜日(6/5)の日経新聞朝刊。
サウジの農業事業会社が他国で土地を買い、
農地を開拓して自国用に穀物を栽培する
という記事が掲載されていました。
日本の商社もすでに
世界中で農地の購入・借上げに動いています。
急増する地球の人口のため
「お金を積んでも食糧を確保できない時代が来る」
という危機感が背景にあります。
世界中の穀物地帯において、
中国やアメリカ・イギリス・フランスなどの各国により
熾烈な農地争奪戦が繰り広げられています。
総カロリーで見た場合、
日本人の食糧自給率はわずかに40%。
1960年度の79%から一貫して下げています。
穀物自給率にいたっては25%。
サウジ(22%)、モロッコ(24%)など
砂漠の国と同じほどの自給率しかありません。
「農地解放」の名の下、
小作農から自作農へ転換させ農業の小規模化をはかり、
農業生産性を低下させ「農産物の輸入国」にする
という米国の占領政策はお見事というほかありません。
「お金を積んでも食料が確保できない」時代は
間違いなく来るでしょう。
貿易収支の赤字と人口減による国力低下で
円安に向かう日本にとって、
海外からの調達はますます厳しいものになります。
一刻も早く、自給率を高めるとともに
他国から食料を調達できる外交ルートを
確保しておかなければなりません。
官民あげて「国民を飢えさせない」努力が
必要な時代になってきたと思います。
神話の世界で「豊葦原瑞穂国」
(五穀豊穣が約束された国)とされた日本。
農地法が改正され、農地の所有と利用を切り離し、
農地の流動化、集積が促進される方向にあります。
「農地」が投資先のメニューに載ってくる日も
近い気がします。
株式会社イー・エム・ピー
代表取締役 中村嘉宏:談
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