- 各務 謙司
- カガミ建築計画 建築家
- 東京都
- 建築家
対象:住宅設計・構造
宇都宮の実験住宅とパヴィリオン、
SUMIKAプロジェクト見学記-1の続きです。
体で感じる藤本氏設計の住宅
今回の見学で一番興味を持っていたのが、
この藤本壮助氏設計の住宅でした。
実験的な(?)空間の設計では、
若手ナンバーワンの建築家が作る空間は、
実際に体験するとどうなのかが興味がありました。
体験してみると、実に面白い空間でした!
鉄製の箱と、''樹木''が''立体的''に組み立てられ、
梯子が繋いでいる空間なのですが、
考えるより、感じるような空間で、
単純に巡っていることが楽しくなるのです。
思わぬところから、思わぬ場所へと梯子が伸び、
外部と内部の境界が曖昧で、
温かい空間とひんやりした空間が交互にあったりと、
子どもに戻って、かくれんぼをしたくなる感覚に
おそわれました。
ただし空間の面白さは抜群でしたが、
住宅としての性能は一番低そうです。
危険を顧みなければ、幼稚園や''保育園''、
あるいは子どもの遊戯施設として最適なのではないでしょうか?
藤森氏設計のコールハウス
最後に拝見したのが、藤森氏設計の住宅、
コールハウスでした。
焼いた杉板を外壁に使った住宅です。
ここまで見学してきた住宅が、
あまりに一般の住宅の概念から外れていたので、
この住宅には安心感を覚えました。
と言っても、決して普通の住宅ではないのですが…。
体験してみると、とても狭い入り口や建具、
急な梯子や、斜め床の寝室、外部梯子を使える''茶室''など、
ユニークな空間が、上手に一つの住宅の中に納められていました。
材料も、焼杉をはじめ、''クリの板''、''塗り壁''や、
木製サッシなど、触覚的にも気持ちが良い素材が多用されており、
自分が住むとしたら、一番住んでみたい住宅でした。
全体に、遊びが行き過ぎている感覚を持ちました。
ただ、このような実験的なものから、
新しい住宅概念が生まれるのでしょう。
その新しい概念をいかに感じ取って、
普通の人にも納得して貰えるような形で、
どのように展開してゆくかが問われている気がしました。
貴重な機会を下さった、東京ガスとオゾンに感謝の一日でした。
カガミ建築計画 各務謙司
カガミデザインリフォーム
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