「預金連動型住宅ローン」のメリット・デメリット - 住宅ローン全般 - 専門家プロファイル

山下 幸子
独立系FP事務所山下FP企画 代表・株)エイム西宮オフィス代表
兵庫県
ファイナンシャルプランナー

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対象:住宅資金・住宅ローン

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閲覧数順 2024年04月26日更新

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「預金連動型住宅ローン」のメリット・デメリット

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さて今回のコラムでは、「預金連動型住宅ローン」についてお話したいと思います。

東京スター銀行が有名ですが、「預金連動型住宅ローン」とは、
実質的な住宅ローン金利=住宅ローン金利−その借入れ銀行での普通預金残高となるものをいいます。

つまり住宅ローンが3000万円だとして、その借入先の銀行の預金残高が1000万円とすると、
3000万円−1000万円=2000万円についてのみ、
住宅ローン金利がかかるというものです。

<メリット>

・ 普通預金として預金するとその分は金利負担ゼロのため、繰上げ返済効果を得られ、かつ普通預金のため教育費や急な出費に引き出して使うことができる。
→繰り上げ返済をしてしまうと、手元資金がなくなり、急な出費に対応できない。

・住宅ローン減税は、金利負担のない部分もふくめ住宅ローン残高全体について対象となる。
→通常の場合、繰上げ返済をしてしまうと、住宅ローン残高は減るため、住宅ローン控除対象金額も減る

・ 普通預金に部分は、実質住宅ローン金利がゼロになり、かつ住宅ローン控除も対象になるので、住宅ローン金利+住宅ローン控除分を資産運用できたのと同じ効果
→繰り上げ返済したものは、元金返済で打ち消され、それ以上の効果は得られない

・ 住宅ローン残高は、団体生命保険に加入していることにより、万が一のとき、その保険により住宅ローン残高はすべて相殺され、遺族に普通預金残高が手元にそのまま残る
→通常は、繰り上げ返済をしてしまうと、その住宅ローン残高のみ、団体生命保険で相殺

<デメリット>
・ 金利は通常より高めで、変動金利2.8%・固定金利(3年)3.4%・固定金利(5年)3.55%
固定金利(10年)3.75%のみで、長期固定金利タイプはなし。(東京スター銀行2009年5月現在)※実際に借入れする場合はその他条件等、ご確認ください。

・ 預金残高の差額について住宅ローン金利負担となることから、一般的な住宅ローン借入返済表は作成できない。

・ 貯金が毎月定期的に、できない場合、金利が高めなので、メリットを享受できない。


つまり、この住宅ローンは、手元に資金がある程度あるが、繰上げ返済してしまうと
将来必要になるのでできない方で、なおかつ、住宅ローンを返済しつつも定期的に預金をすることが可能な方に向いています。
(いつでも普通預金から引き出すことが可能ということで、ついつい引き出してしまうとこの住宅ローンの効果は得られず、かえってマイナスになりますので、ご注意ください。)