今回のコラムは個人事業主の方にとっては朗報です。
厚生労働省は同居の親族だけで事業を運営する個人事業主にも中小企業退職金共済(以下中退共)に加入できるように検討しているようです。
※個人事業主本人だけではなく、その家族も加入できる予定です。
中退共は、中小企業を支援するための国の退職金制度。
掛金全額を事業主が負担(事業主は全額損金算入できる)し、従業員の老後の年金を確保する確定拠出年金型の制度です。
※確定拠出型とは、掛金額が一定で給付は変動するという意味です。
現在加入できるのは、法人化された企業が対象で、企業規模は以下の条件が設定されています。
一般業種:従業員300人以下、資本金3億円以下
小売業:従業員50名以下、資本金5000万円以下 etc
掛金額は5,000円〜30,000円まで16種類。
年金額は国が設定している予定利率で保証していますが、この予定利率は経済情勢によって変動します(現在は1.0%)。
実際の運用利回りが予定利率を上回った場合には、付加退職金が上乗せされるというしくみです。
中退共のメリットとデメリット
【 メリット 】
1.掛金の一部を国が助成
国が新規加入の事業主に掛金の半分(上限は5,000円)を1年間助成してくれます。
また掛金月額(18,000円以下)を増額する場合も、増額分の1/3を1年間国が助成してくれます。
2.掛金が全額損金算入できます。
損金とは経費扱いになるという意味ですから、個人事業主にとってのメリットはかなり高いですね。
【 デメリット 】
1.加入期間が短い場合
1年未満⇒掛金全額が掛捨て
1年以上2年未満⇒元本割れ 12ヶ月では30%、23ヶ月では50%支給
2年以上3年6ヶ月以下⇒掛金相当額
3年7ヶ月以上⇒運用利息が加算
2.予定利率が変動する。
平成14年までは予定利率が3%でしたが、それ以降1%ですので、なかなか年金額が増えていないのが現状です。
対象となる個人事業主ですが、今のところ青色申告事業主だけのようです。
もし中退共に加入を予定している個人事業主の方で白色申告の方は、青色申告の申請をされた方が良いでしょうね。
6月にめどに制度の詳細が発表される予定ですので、個人事業主の方は要チェックです。
ご不明な点などがございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。
http://www.bys-planning.com/
よろしくお願いいたします。