日本経済09年4月号 - 保険選び - 専門家プロファイル

山本 俊樹
インテグリティ株式会社 
ファイナンシャルプランナー

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対象:保険設計・保険見直し

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日本経済09年4月号

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  1. マネー
  2. 保険設計・保険見直し
  3. 保険選び
やさしい経済の話し 日本経済の話し

1-3月期は過去最悪の数字が続く


1-3月期の日本経済は、おそらくGDP二桁マイナスという戦後最悪の状態に陥ってしまった。そこで政府は新たな景気対策を発表。真水で15兆円に上る大規模な経済対策だ。日銀短観で見るように、全産業において急激に業績が落ち込んでいるのだが、徐々に底が見えてきた兆しも窺える。

中国の大規模な景気刺激策が再び高成長へと導き、日本の輸出にも下げ止まり感が出てきている。また、昨年の秋以降続いている在庫調整が順調に進み、それが生産の下げ止まりにも繋がってきている。さらに、消費者心理が、定額給付金の支給や高速道路料金値下げなどにより盛り返してきている。内閣府がまとめた消費者態度指数は2ヶ月連続で前月を上回った。2月の景気ウォッチャー調査でも、景気の実感を示す「街角景気」の判断指数が現状・先行き共に2ヶ月連続で上昇している。

鉱工業生産、機械受注、輸出など日本経済を支えてきた軸の数値は最悪の値を示している中にも徐々に底が見え始めている。「V字」回復というわけにはいかないが、100年に1度という不況にあってはまず底打ち感が出ることが大切である。今年は「L字」回復であってもこれ以上の悪化を防ぐことが一番大切であり、その意味でも即効性のある経済対策に期待したい。

【輸出】
2月の輸出額は前年比▲49.4%、輸入額は同▲43.0%となった。輸出の前年比減少率は過去最大(前月の▲45.7%を更新)
輸出を地域別にみると、アジア向けは前年比▲46.3%(前月▲46.7%)、米国向け▲58.4%(同▲52.9%)、EU向け▲54.7%(同▲47.4%)となっている。欧米向けは下落が続いているがアジア地域向けに下げ止まり感が出てきている。とくに、中国向けは▲39.7%と前月の▲45.2%から減少幅は縮小してきている。
商品別にみると、自動車▲70.9%、半導体等電子部品▲51.1%、自動車部品▲60.8%などの落ち込みが激しい。しかし、米国向けの自動車輸出の減少幅が減少してきている。これが在庫調整の進展によるものであれば、今後さらに需要が拡大する見通しにもなり、中国の動向と合わせてここ数ヶ月の動きに注目である。

【鉱工業生産】
2月の鉱工業生産指数は前月比▲9.4%と5ヶ月連続でマイナス、生産指数の水準は83年4月以来の低水準となった。業種別では、輸送機械工業が前月比▲23.2%、一般機械工業同▲15.2%、電気機械工業同▲10.4%などとなっている。
一方、在庫指数が前月比で▲4.2%と2ヶ月連続の低下、前年比では▲1.7%と29ヶ月ぶりの低下となった。

【機械受注】
設備投資の先行指標である機械受注は、2月の民需(除く船舶・電力)は前月比+1.4%(12月同▲3.2%)と、事前予想の▲6.9%を大幅に上回る結果となった。製造業からの受注が前月比▲8.1%(1月▲27.4%)と大幅減が続いたが、非製造業で+3.3%と2ヶ月連続で増加した。
加工業の中では、電気機械が前月比▲19.1%、一般機械▲14.5%などが大きく落ち込んでいる。
しかし、在庫調整の進展から、原産の動きに歯止めがかかりつつあり、製造業からの受注も下げ止まる可能性がある。