- 今井 大輔
- 注文家具屋 フリーハンドイマイ 代表取締役社長
- 神奈川県
- キッチン・インテリアデザイナー
対象:オーダー家具・装飾品
- 今井 大輔
- (キッチン・インテリアデザイナー)
- 今井 大輔
- (キッチン・インテリアデザイナー)
オーダー家具は作り付け家具とも呼ばれています。
おうちの中にきっちりとぴったっりと固定してしまうから、そう呼ばれているわけです。
地震がきても倒れない、頑丈な家具というイメージがあります。
私たちももちろん家具を部屋に取り付けて作りつけているわけですが、一つ心掛けているのが「また取り外すことができるように。」と言うことです。
この考え方はまだあまり広まっていないようで、「作りつけたものはもう外せません。」と言われてしまったと言うお話しを時々耳にします。
たしかに、私たちのような木工屋さんが複数出入りしている現場に行くと、パーツごとに部材を持ち込んで、その設置場所で接着剤でしっかりとクランプして組み立てている方に出会うことがあります。
例えば、リビングの壁一面に作りつける本棚など・・。
縦の板と横の板を接着してトントンと組み上げていく。現場で組めるから最小限のパーツ構成で良いし、扉などつかないオープンの棚などの時は、すっきりとしてとても良いのです。
でも、例えば事情があって、そのおうちを出て別のところに住まなければならなくなった時に、「せっかく使い込んでよい感じになってきたこの本棚を持って行きたいな。」と思っても、接着したところを外さないと運ぶことができずに置いていく事になってしまうのです。
「作りつけたものはその家のものだから、外さなくても良いよ。また新しい家にはその家に合ったものを作ればよいから。」と言ってしまえばそれまでなのですが、私たちのところには、皆さんから直接家具のオーダーを受けることが多いので、そういうダイレクトな気持ちが伝わってくることが多いのです。
だから、私たちはなるべく壁にしっかりと留めていても何かの時には取り外せるようにと考えています。当然、箱を考える時は搬入・搬出ができる大きさを規準に考えるので、最小限のパーツと言うわけにはいきません。箱と箱をつなげる部分は板が重なるし、材料も少し多く使います。それを考慮した上できれいな形、使いやすい構造を考えていくのです。
引越に限らず、もし、箱の中や天板などが壊れたり、傷んだりして修理が必要な場合はその部分だけ取り外すこともできますので、メンテナンスも容易になります。
先日も、「家を新しくするので、以前に作っていただいた家具を移したいのです。」と言われて、外しにいってきました。新居の完成は半年ほど先なので、それまでに新しいおうちに合うように細工をし直して、寸法を調整して、うちで預かっておくのです。
先日そのHさんの家具を取り外したときのこと
http://freehands.exblog.jp/10674366/
http://www.freehandimai.com/program/work/gallery/sample0/s-h.html
また、ご主人が転勤となってしまったため、引越先に家具を持って行きたいというTさんの家具もご紹介します。
昨年、Tさんの家具と取り外して引越先に運んだときのこと
http://freehands.exblog.jp/8919251/
Tさんの家具を作った当初の様子
http://www.freehandimai.com/program/work/gallery/sample11/sesa.html
そういうふうに使っていけば、家具はきっとその人自身のものになっていくのです。
注文家具屋 フリーハンドイマイ
ブログ「自由な手たち」
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