- 今井 大輔
- 注文家具屋 フリーハンドイマイ 代表取締役社長
- 神奈川県
- キッチン・インテリアデザイナー
対象:オーダー家具・装飾品
- 今井 大輔
- (キッチン・インテリアデザイナー)
- 今井 大輔
- (キッチン・インテリアデザイナー)
キッチンを作らせて頂くことになったNさんから、時計を作ってほしいと相談を頂いたことがありました。「時計ですか・・。」仕事で時計なんて作ることがなかったし、街中すてきな時計やもちろん木でできた時計もある。いまさら私たちが作ることでNさんにとってどういった魅力があるのか、ということがなかなか当時は分からなかったのです。
「時計といっても、あの時間の数字、文字盤が普通は入っているじゃないですか。それは要らないのです。」「なるほど・・。」
当時キッチンのほかに円卓、丸い座面のキッチンスツールの製作を依頼頂いていたので、その素材や形状に合わせた時計が欲しかったことと、何よりも文字盤は要らないということが大切なことだったのでした。「キッチンに立っていて、ふと顔を上げた時に長針と短針がどのあたりを指しているのかがなんとなく分かればいいんです。かえってきちんとした時間が分からなくてよいくらい。」
文字盤のない時計か・・。当時はなんでだろうって思いながら、同じタモ材を用意してムーブメントを用意して、せめて何となく時間が分かるようにと、目の詰んだ柾目材で作らせて頂きました。(写真の時計は板目ですが・・。)
今になって何となく分かってきました。全部がひとめではっきり見えてしまうと、全部がはっきりわかるまで物事を進めないといけないという気持ちになったりします。でも、あいまいなで見えにくい部分があると私たちは自分でイメージして考えるのですよね。本を読んでいる時に思い描いた風景と、映画で見た時に現れた風景の違いのように。そういうゆったりした時間の移ろいが、「ああ、そろそろ子どもたちが帰ってくる時間だな。」とか「そろそろ洗濯物取り込もうかしら」とか次を考えるための余裕が生まれるというか。何というか言葉が足りなくてすみません。そろそろって思える気持ちに、余裕があるのだなってあらためて思うのです。
日も暮れて鳥たちもだんだん森へ帰ってしまって虫たちが鳴き始めたから、そろそろ寝ないといけないよ。とか、そういう時間の見つめ方っていいなって。時間を見て過ごすのではなく、自分の時間を知って過ごすって。
そういう感じが大切だって思えるようになってきたのです。
このコラムに類似したコラム
金曜日は早朝の4時30分に起床です! 稲垣 史朗 - 店舗インテリアデザイナー(2014/04/25 06:35)
北欧雑貨TIGERのワクワクを紹介します すはら ひろこ - インテリアデザイナー(2012/07/23 09:34)
1分1行を大切に片付ける すはら ひろこ - インテリアデザイナー(2012/07/05 19:11)
ワーキングマザーのお片付けルポ すはら ひろこ - インテリアデザイナー(2012/05/24 09:43)
■娘から「遅れた母の日プレゼント♪」 収納ドクター@長柴美恵 - リフォームコーディネーター(2012/05/16 20:51)