- 増井 真也
- 建築部門代表
- 建築家
対象:住宅設計・構造
私の考えでは、特に木造がだめとか、コンクリート造がだめとか言うことはないと思います。耐震性についてもしっかりと構造計算をすることで十分な強度のある建築を建てることが可能ですし、コンクリート造でも断熱や換気などの措置を取ることで十分快適な空間をつくることはできると思うからです。
どちらがよいか、どちらかに強い思い入れがある場合などは別ですが、一般的には諸条件の要求の結果として選択するというのが一番よい方法だと思います。たとえば、川口市本町の家では1階部分にガレージを作りたいというクライアントの要望がありました。敷地は細長い狭小地です。この場合道路側には車が入るための大きな開口が必要であり、それをつくると耐力壁を作ることができなくなります。狭小地ということで3階建てになりますので、木造ではなかなか厳しい。そこで、1階部分だけにコンクリート造を採用することとなりました。1階部分だけなので、建物の重さもそれほど重くなることは無く地盤の改良の費用もそれほどかかっていません。
様々な条件をクリアーしながらクライアントの要望を形にすることが建築の仕事です。その手段として構造の選択をしていく、これがもっとも合理的な手法であると考えます。