
- 平 仁
- ABC税理士法人 税理士
- 東京都
- 税理士
対象:経営コンサルティング
- 戸村 智憲
- (経営コンサルタント ジャーナリスト 講師)
- 荒井 信雄
- (起業コンサルタント)
森本千賀子「社長が欲しい「人材」!」(大和書房平成21年3月)
転職する方向けに書かれた本書は、転職市場でよく見受けられる
人材のミスマッチや、自分の人材としての価値を誤認している方を素材に
あの人はなぜ、採用されたのか?
あの人はなぜ、採用されなかったのか?
を明らかにしてくれている。
私も人を見るときに重視していることですが、
本書68ページ、第2章 採用された人、されなかった人の差 の中の1節に
「CAN」ではなく「WILL」を会社は知りたがっている
という項目があります。
キャリアやスキルに自信のある人ほど、「自分にはこんな価値がある。
それを買ってほしい」というアピールをしがちです。
言い方を変えれば、「私は○○ができますので、御社のお役に立てます」
といったところです。
しかし、それだけで終わってしまっては、企業側としては物足りなさを
感じるのです。
企業が聞きたいのは、「私はこれができる(=CAN)」に加えて、
「私はこれをやりたい、こうなりたい(=WILL)」という“思い”だからです。
(69ページ)
そしてもうひとつ、特にベンチャー企業にとっては、「完成されている」
状態だと不安を感じることがあります。
それは「幅広い業務に、柔軟に対応する姿勢がないかもしれない」というわけです。
多くの企業の場合、大手企業のように相当領域が細分化されているわけでもなく、
雑務をこなすアシスタントがいるわけではありません。
つまり、何でも自分でやらなければいけないわけです。
私はこれができる=「CAN」が強い人は、逆に、私はこれができない
=「CAN NOT」への意識も強いのではないかと懸念されることがあります。
(70-71ページ)
最近の若い方にも多いのですが、やったことがないことを、やってみる前から
「できません」では、企業から見れば、いらない人材ですね。
チャレンジしてみて、それでもできなければ仕方がないけれども、
チャレンジさえしてみなければ、その人の成長はありえないからです。
成長できない人材はどんな企業であっても「欲しい人材」ではありえません。
私は、特に学生に、チャレンジする勇気を持ってほしいと思っています。
学校のレベルが低くても、人間力の高い人はいくらでもいます。
私は国士舘の大学院をでていますが、院の同期には、国士舘大学に
スポーツ推薦で入学し、スポーツを引退してから僅か数年で、
税理士試験に合格し、某専門学校に講師として採用されたものもいました。
彼は、すでに本も執筆し、同期の中でも稼ぎ頭の一人でしょう。
自分の可能性を拡げようとしなければ、成長はないのです。