2021年7月版、「フクシマ」の最新レポート - 太陽光発電・太陽熱温水器 - 専門家プロファイル

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2021年7月版、「フクシマ」の最新レポート

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福島ではなく、フクシマ。東北地方のイチ都市だった福島が、図らずとも世界的に有名な地名になってしまいました。その理由は今さら言うまでもないと思います。

2021年に延期された東京オリンピックでは韓国の選手団が福島県産の食べ物を食べないためという理由で自前の弁当を用意するそうですが、こういう言いがかりに口実を与えてしまっていることも事実です。風評とは恐ろしいですね。

先日、今の福島を自分の目で見たいという理由で福島の現地を訪れた人の話を聞くことができました。2021年7月なので、震災から10年少々の最新レポートです。もらった写真も交えてお届けします。

福島原発がある大熊町と双葉町、そして隣接する浪江町や南相馬市という地名は当時ニュースに嫌というほど登場したので、地名を覚えている方も多いことでしょう。それらの自治体は今も存在し、現地では多くの人が働いています。

2020年には、それまで町内全域が帰還困難区域に指定されていた大熊町と双葉町の一部で帰還困難が解除され、この両町を貫くように走っているJRの常磐線も再開されています。それまでは双葉駅や大野駅はいずれも地元の主要駅であるにもかかわらず、人が入れない、鉄道が来ない駅でした。


地元の人の話によると、双葉駅周辺には団地が開発され、徐々に人が戻ってくるのではないかということでした。震災から10年で、完全に封鎖されていた町がようやく再始動することになります。多くの人はすでに過去のことになっているかもしれませんが、福島の現地では今もなお続く進行形の現実です。

その後、帰還困難区域は段階的に解除され、2021年中にはほとんどの区域に人が入れるようになるそうです。 

最近まで帰還困難区域だったところにも入ったそうで、そこには原発マネーで豪華な建物が目を引く双葉町役場もあります。さすが立派な建物だけあって地震や津波で全壊することなく建っていますが、そのまま状態で打ち捨てられた様子は異様です。特に破壊されることなく、人だけがいなくなった風景はSF映画のようですね。


双葉町の沿岸部には、広大な中間貯蔵施設があります。これは除染によって発生した汚染土を保管する施設で、これを最終処分する場所がないため、今後ずっとここに置かれることになるそうです。今後数十年以上は、間違いなく帰還困難区域のままであり続けるのだとか。これもまた、多くの人が目を背けてきた現実です。


その近くには、東日本大震災と原子力災害の伝承館なる建物があります。名称の通りの博物館で、その豪勢な建物を見ると原子力マネーがいかに莫大であるかをうかがい知ることができます。その近所には広大な更地が広がっていますが、その中には日本全国から集結しているゼネコンの事務所が工業団地のようになっています。廃炉作業のために拠点を構えているものと思われますが、その人が福島原発に出入りするゲートの前まで行った時もじゃんじゃんバスやトラックが出入りしていたそうです。それだけ多くの人が働き、お金が動いていることです。


原発事故は、起こしたくて起きたわけではありません。地震、津波もそうです。どれもが不本意なものであり、不幸だとしか言いようがありませんが、その不幸をすでに過去のことにしてしまうのは、まだまだ早すぎます。今も福島では多くの人が廃炉作業に従事し、地元の人たちは帰還困難の状態にあるのですから。金銭面での手当ては相当手厚いようですが、お金さえあればいいわけでもないことは、言うまでもないでしょう。

賛否はともかく、福島の今を知ることは日本人としてとても大切なことなのではないでしょうか。忘れること、目を背けることは福島に対して最も失礼なことではないかと思うのです。

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