- 敷浪 一哉
- 有限会社シキナミカズヤ建築研究所
- 建築家
対象:住宅設計・構造
時にはもっと大きく社会現象に立ち向かったり、社会の仕組みを変革してみたりする。
だけど、僕の場合に限ってかもしれないが、自分の想定はあっさりと覆される。
僕が設計した家に住む建主さんは、設計当初想定していた通りの生活なんて送ってくれるわけがない。
もちろんいい意味で想像を裏切っていたりすることのほうが多く、こんなに面白い暮らし方をしてくれるなんて思ってもいなかった という結果になる。
想定どおり暮らしてくれなかったその設計は失敗か?
自分の想像力が建主の実際の生活に追いつかなかったのか?
僕はそうは思わない。
僕らがその家を設計始めてから、実際に建主さんが住み始めるまで、相当な期間がある。
そして、その間僕と建主さんは、これから始まる新しい家での生活について思いをめぐらしながら、
何度も何度も話し合う。
設計時での想定を超えた暮らしをしてくれた建主さんというのは、
家づくりの中でいろんな意味で成長した姿なのだ。
僕らは、その成長のお手伝いをするわけだ。
建主さんの夢をカタチにするだけじゃ、それは建築家としては十分な家づくりができたとはいえないのだ。
僕らは、空間を生み出す、いわゆるクリエーターである。
しかし、同時に社会に訴えかける主義者であるし、
何より一番は、生活の面白さを育てる教育者なのだ。
さて、自分はその域にいつ昇れるだろうか・・・。
建築と建築家と設計事務所と住宅と横浜と家族と・・・
シキナミカズヤ建築研究所