- 大野 まり子
- さいたま夫婦問題カウンセリングセンター オフィスえん 代表
- 埼玉県
- 夫婦問題カウンセラー
-
080-2061-1704
対象:離婚問題
- 岡野あつこ
- (離婚アドバイザー)
ギャンブル依存症の夫への対処法と家族の対応
-
ギャンブル依存症とは
ギャンブル依存症とは、WHOにも指定された精神疾患で「病的賭博」とも呼ばれていました。
借金を繰り返したり家族の関係が崩壊するなど日常生活に支障が出ても、ギャンブルを(止めたくても)止められない脳の機能変化によって起こる病的状態です。
本人の意思でどうにかなるものではなく、また家族の愛情だけで救えるものでもなく、依存症専門医や専門家が介入してようやく回復する可能性があります。(完治はしないと言われるため、ここではあえて「回復」という言葉を使います)
またギャンブル依存症は「否認の病」とも言われています。
本人は、ギャンブル依存症によって自身が置かれた状況や問題を認めようとせず、病気だと認識するのが困難であるため重症化していくのですが、アルコール依存症や薬物依存症と違い、身体症状な出ないため外見からは判断が付きません。
そしてほとんどの場合が借金問題を伴っています。
【厚労省 依存症対策関連ページ】 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000070789.html
家族の対応
依存症者の近くには共依存者が必ず存在する、と言われています。
ギャンブルに行く為のお金を渡す、ギャンブルで作った借金の肩代わりをする、ギャンブルに行ける環境を手助けするなどが共依存の行為にあたるのではないでしょうか。
夫がギャンブルで作った借金を妻が一生懸命働いて返済しているケースなど聞きますが、それをしていたら永久に夫のギャンブル依存症は回復しないでしょう。
では、家族はどうしたら良いのでしょうか?
まず借金の肩代わりは絶対にしない事。
ギャンブルで作った借金は本人以外に返済の義務はありません。
借りた本人にすべての責任を返してあげることです。
共依存者はつい、手助けをしてあげたくなってしまうのだそうです。
次に家計を死守すること。あの手この手を使ってギャンブルに行くお金を欲しがりますが、生活費は守らないといけません。
通帳やカード、印鑑の類は安心安全な場所に預ける、自宅に金庫を置くなどをして出来る限りの対策をすぐに取るべきです。
現実的に「お金の問題」が大きくクローズアップしてくると思います。
危険予知と予防対策をして財産を守りましょう。
ギャンブル依存症者は、ストレスやむなしさや苦しさなどを「自己治療」しようとする試みからギャンブルに嵌るのだそうです。
家族として出来る事は「その部分を理解して本人の心の闇に寄り添えるか」だけなのだと思います。
離婚の選択
ギャンブル依存症=精神疾患だから離婚は出来ないのではないか?と思われることでしょうか。
確かに、民法では夫婦の同居義務、協力義務、扶助義務についての規定には「互いに協力し扶助しなければならない」とあります。
しかし一方で法律上の離婚原因は以下の5つです。
- 配偶者に不貞行為があったとき
- 配偶者から悪意で遺棄されたとき
- 配偶者が3年以上の生死不明
- 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
- その他婚姻を継続し難い重大な事由
上記に該当する事由がある場合には、相手が離婚を受け入れなくても、訴訟をすることによって離婚成立となるかも知れません。
ギャンブル依存症に関しても、夫婦関係を破綻させる程度のものであるかということが重要なのかと思います。
また、ギャンブル依存症者との離婚はお金の問題を多く抱えている場合があるので、養育費や財産分与、不貞行為があれば慰謝料請求などを「多額の借金があるから貰えなくても仕方がない」と諦めてしまう前に、弁護士に相談することをお勧めします。
最後に
ギャンブル依存症のパートナーと離婚するべきかどうかは、その人によって様々です。
何が正しいというものではなくて、その時のその家族の状況や環境で選択していくのだと思います。
ただ一つ、カウンセラーの私から言えることは「辛かったら手放しましょう」ということ。
ギャンブルはあなたの問題ではなく、本人の問題です。
本人自身が自分の生き方を見つめなおし「変わりたい」と思わなければ変わらないのです。
・ギャンブル依存症者 本人の会 GA(ギャンブラーズアノニマス)
http://www.gajapan.jp/
・ギャンブル依存症 家族の会 ギャマノン
http://www.gam-anon.jp/
このコラムの執筆専門家
- 大野 まり子
- (埼玉県 / 夫婦問題カウンセラー)
- さいたま夫婦問題カウンセリングセンター オフィスえん 代表
夫婦関係修復と離婚専門のカウンセラー
夫婦関係を再構築する方法や、離婚を選択することになった場合の行動・心の在り方をお伝えしています。離婚する際の注意点やシングルマザーになった時の金銭面でのポイントなど、離婚前後のお金の不安にも対応します。
このコラムに関連するサービス
【マンツーマン】後悔しないための離婚講座【オンライン90分】
離婚前後の不安を解消して前向きに生きるための方法
- 料金
- 22,000円
離婚前後に身を置かれた方は、必ずと言って良いほど不安を抱えています。
そしてその不安は、離婚で解決するものと、離婚後に新たに生まれるものがあります。
これらの不安をどう解決したら良いのか知識があれば、離婚後の人生がもっと楽しくスムーズに進んでいくはずです。
この講座を受講していただくことで、あなたの不安の解決策が見つかると思っています。
このコラムに類似したコラム
離婚を考えるその前に「借金整理って何ですか?」 岡野あつこ - 離婚アドバイザー(2012/11/25 19:28)
離婚トラブル 慰謝料が請求できない? 林 炳大 - 行政書士(2012/10/11 17:18)
浪費癖のある夫からの離婚届 N・Nさん(二十八歳・子ども一人) 岡野あつこ - 離婚アドバイザー(2012/09/29 12:00)
夫が友人の保証人に!危険回避の為、離婚を切り出されたが… 岡野あつこ - 離婚アドバイザー(2012/09/25 12:00)
離婚の原因 林 炳大 - 行政書士(2012/09/24 11:15)