- 増井 真也
- 建築部門代表
- 建築家
対象:住宅設計・構造
通常のモルタル仕上げに、3分の砂利を入れ、鏝でならした状態でしょうしょう待つ。大方固まりかけたところで、表面のノロを水とスポンジで落とす。すると、モルタルの中に入っている3分の砂利が顔を出し始めるというわけである。この作業を2回ほど繰り返し、作業は完了。ただ砂利が見えているだけだというのに、モルタルだけの仕上げと違い、なんともいえない表情を持つから不思議だ。
これは、この洗い出し仕上げというものが持つ風合いや感覚があらかじめ日本人の認識の中に組み込まれているところによるのだろう。漆喰の壁を触ったときの感覚や、無垢の木の風合いから感じる感覚、こういうものと同じなのだと思う。
住宅だからこそこのような身体感覚というものを大切にしていきたいと考えている。