古い家はダメなのか 5 - 住宅設計・構造設計 - 専門家プロファイル

志田 茂
志田茂建築設計事務所 代表
東京都
建築家

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対象:住宅設計・構造

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古い家はダメなのか 5

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実物大振動実験

まずはこちらをご覧ください。

■実験第1回(平成17年)

・実験の概要

築30年の木造住宅 2棟 の振動実験。
実存していた2棟を移築した実験です。

左-A棟 : 耐震補強あり
右-B棟 : 補強なし(既存のまま)

■実験第2回(平成18年)

・実験の概要

最初の実験で使用した家を、同じように新築で再現。

左-C棟 : 補強なし を再現
右-D棟 : 補強あり を再現
      さらに、軟弱地盤を発砲スチロールで人工的に製作

1回目2回目とも、補強してあればつぶれない事がわかります。

その2回の実験を見て気づいたのは、
第2回目の「補強なし」を再現(新築)した C棟。

同じ振動なのに、第1回目のようにつぶれていません。
30年経ったものと新築との違いがあります。
材料の新しさが、その状況になったのかもしれません。

私は専門の研究者ではないので、根拠のない話ですが、
「なにかしら補強をする」事で、「一瞬でつぶれない」
状況を作れる可能性が高い のではないかという事です。

もちろん、それなりに計画する必要があります。

築30年以上になると、コンクリートの基礎に鉄筋が入っていない事も増えます。コンクリートが脆かったりもします。なので、金物を十分に使う現在の法規に準じる耐震補強ができないかもしれません。

でも、「一瞬につぶれない」事を最低条件に考えれば、やっただけ可能性が高くなるのです。
絶対!と言い切れないのが悲しいところなのですが、でも、古い家だって手をかければよくなる事は確かだと思います。

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上記資料は (独)防災科学技術研究所HPより抜粋