トレンドに振り回されない

　皆さん、ごきげんよう。

「Fascination」ファッションコンサルタントの藤原純子です。

　皆さんは、ファッション誌はご覧になりますか？書店にコンビニ、スーパー、ネット、ちょっと見渡すだけでも、巷にはファッション誌が溢れ返っています。時代を代表するモデルさんや女優さんが表紙を飾っていて、まるで今の時代を映す鏡のようですね。表紙が並ぶ書棚を見渡すだけでもそのシーズンの注目トレンドやカラーが見えたりするから、雑誌の表紙というのはファッションの世界において特別な存在なんです。

ギャル系、OLさん向け、ミセスにママファッション、メンズまで入れると、本当に数えきれないほど、日々新しい雑誌が生まれては消えていって、そんな移り変わりにも大して驚かないほど毎日毎月消費されていきます。皆さんも毎号必ず目を通すようなお気に入りの雑誌があるかもしれませんね。

　私ももちろん、仕事柄さらっと一通りはチェックしています。ですが、そこに書かれている流行に左右されて服を買うことはあまりありません。今人気のブランドやトレンドにこだわる必要なんて全然なくて、自分自身に似合っていればいいんです。あなた自身がブランドのように世界観を感じさせる存在になればいいのです。

雑誌に書かれた要素を取り入れたり、ショップがすすめるままに旬のものを買ったりしていると、似合っていないものを着せられてしまうという憂き目にあってしまうことも。それも若い頃は勉強になるし、まったくの無駄だなんて言いません。

　ですが、目にした記事やあなたのことをよく知りもしない他人のコメントに踊らされて、自分の世界観やこだわりがないまま何となく選んでばかりだと、着こなすなんて夢のまた夢。名のあるブランドだからと慢心して服に着られてしまったり、ただ着飾っているだけで浮いてしまったり。たまに見たことありませんか？高級ブランドでビシッと全身固めてはいるんだけど、どうも親に着せられちゃった子どものピアノの発表会みたいになっている人。

できれば大人になったらそんなイタいファッションではなく、「何気なく着こなしているんだけどよく見ると時計だけとても上質なものだった」なんてさりげなさがかっこいい。一朝一夕にできる簡単なことではないかもしれないけど、あきらめたらそこで終了。鍛錬を重ねて、その域に到達したいと思い続けることが大事なのではないでしょうか。

　流行はファッション業界が意図的につくりだすもので毎シーズン目新しいものがでてくるようになっています。ガウチョパンツが流行れば、ショップはガウチョ一辺倒になるし、ワインレッドが流行ればワインレッドのものしか見る側の目にも入らなくなります。それが自分に似合っていれば迷わず取り入れて楽しめばいいと思います。だけど、流行りのものが自分に似合うとは限りません。

特に年齢を重ねて大人になっていく程、それが似合う確率は低くなっていくと言っても過言ではありません。だからといって、「もう私は若い子のトレンドからは置いてけぼりなのね」と悲観的になる必要はありません。それに、昔の服ばかり着ていたら誰の目にも流行遅れに映ってしまいます。それはそれでおしゃれさんとは言えません。

　例えば、流行りのガウチョパンツが似合わないとします。トレンドを少しは取り入れたいけど、そのままだとおしゃれに仕上がらない。だったら、自分の身長や体型に合わせた丈や素材をえらんでみたらいいのかも。ちょっとした工夫で自分らしさをキープすることは難しくありません。最先端を追いかけてはダメということではないんです。

トレンドはいろんなバリエーションがそろうので、押さえておいて損はありません。たくさんあるからこそ選択肢もあるということですから、自分に似合う丈や色、素材など見つける楽しみもあるはず。ただ、来年は着られないだろうなーと思うものなんかはリーズナブルに買い物するのが賢明ですよ。それから、似合わないと思っていたアイテムも合わせるトップスやアウターによって変わってくることがあります。

　とにかく先入観が邪魔して、自分のファッションの幅を狭めてしまうのはもったいない。憶えておきたいワードは「トレンドは取り入れてもOK、ただし自分流に着こなすことを忘れずに」。