- 川尻 秀道
- ラウンジグループ株式会社 代表取締役兼CEO
- 東京都
- MBA留学と起業のプロ
キャリアチェンジや充実した人生設計を立てることをひとつの目標として、MBAを目指す多くの方が毎年私のところに訪れます。
彼ら彼女らすべては、すべて計画通りMBA出願準備をすすめ、ビジネススクール合格、MBA留学開始と順調に進むわけではありません。中にはMBA留学自体をあきらめてしまう人もいらっしゃいます。
この仕事をしている私が言うのもなんですが、充実したキャリアチェンジや人生設計を実現するために、MBA留学は決して必要不可欠ではありません。時間も費用も掛かりますし、MBA留学せずに自分が理想とするキャリアチェンジや人生設計ができるのであればそれに越したことはありません。
とは言うものの、中には充実したキャリアチェンジや人生設計を実現するために、MBA留学が必要不可欠だと考える人もいらっしゃいます。
その場合は、コツコツと準備して確実にMBA留学ができるように自分をコントロールする必要がありますね。今回は、そんな人たちに向けて、MBA留学を諦めてしまう理由4つをご紹介します。
■キャリアチェンジ目指すはずが!MBA留学を諦めてしまう理由4つ
●転職先が決まった
私の周りでは、これが一番多いですね。
MBA留学を目指す場合、転職とMBA留学を両天秤にかけている方が多いようです。今の職場には満足できておらず、転職または留学でキャリアチェンジや人生設計を考えていて、いい転職先が見つかったというパターンですね。
言うまでもなく、MBA留学が自身のキャリアチェンジや人生設計に必ずしも必要不可欠な要素ではありません。自分の力が発揮でき、将来のキャリアチェンジや人生設計に合致する職場に転職することができるのであれば、そちらを優先するべきです。
また、転職した人の中には、MBA留学を「あきらめてしまう」ではなく「延期する」と考えている人も多いです。
転職に成功した方は、とりあえず転職して2,3年後にMBAを目指す、という感じです。これは将来のキャリアアップや人生設計の幅が広がりいいですね。私のクライアントさんでもMBA留学前に2社または3社に勤務経験のある方も多いです。
それぞれの職場で新しい知識を身につける、または自分の実力が発揮できないと感じた場合、さっさと次の職場に移るという行動力がないと貴重な時間を無駄にしてしまいます。
MBA留学前にいくつかの職場を経験しておくことも、MBAでクラスに貢献するための貴重な財産になります。
●IELTS/TOEFLのスコアメイキングができない
これは全くの見当違いで、IELTS/TOEFLのスコアが取れなくてもMBA留学をあきらめる必要は全くありません。さすがに英語での挨拶もままならない、というのであれば別ですが、ビジネスレベルまでいかなくとも、日常会話はある程度問題なくできる、というくらいであれば、IELTS/TOEFLのスコアメイキングができないというのは、MBA留学をあきらめる理由にはなりません。
巷の留学予備校などでは、TOEFL, IELTS関連の講座が充実しており、「●●点達成!」などの広告もよく見られますが、これは結果が「数字」で出ているためマーケティングに使いやすいからに過ぎません。
どうしてもTOEFL, IELTSで点数が取れなくてもどんどん出願しましょう。
では、TOEFL, IELTSで点数が取れずに出願したらどうなるのか?
それは、エッセイ、推薦状、CV、インタビューが優れていれば、スクールから「いついつまでに点数を取って下さいね。」と言われ条件付合格をもらうことになります。
合否を決定するのは、あくまでもエッセイ、推薦状、CV、インタビューなどです。これらは、TOEFL,IELTSと違い結果が「数字」で出ないので、準備に時間をかけようとしない人が多いですが、合格を勝ち取るにはTOEFL, IELTSよりも大切な要素です。
●モチベーションが維持できない
MBA出願は基本的に自分との闘いです。準備期間も短くて1年、長い場合は3年以上を要することもあり、よほど「自分は絶対にMBA留学したい」と強く思っていないと心が折れてしまいます。
特に私費留学の場合は、会社を辞めていくというリスクがつきますので、今の仕事がちょっと上手くいくと辞めてしまうのはもったいない、と思うようになり、出願準備にブレーキがかかりがちです。もちろん、今の会社にいることが「悪」ではないので、今後のキャリアチェンジや人生設計にMBAは必ずしも必要ないと判断するならそれはそれで、今後のキャリアチェンジや人生設計に向けて一歩前に進んだことになります。
一方で、キャリアチェンジや人生設計のためにMBAが必要だ、と確信するならば、どうしてもモチベーションを維持しつづけることが大切です。その一つの方法は、一緒に励まし合ってMBAを目指す仲間をつくるということです。MBAを目指す人や集まりやイベントというものは色んなところで開催しています。地方在住でそのようなネットワークをつくることが難しい場合でもネットでのコミュニティに参加することもできます。
一緒に励まし合ってMBAを目指す仲間をつくることで、途中でドロップアウトせずにやり遂げることができた、と語るMBA合格者は多いです。
●健康上の問題/家族の問題
自身または家族の健康上の問題やその他家族との問題は、急に降りかかり避けることが困難です。
充実したキャリアチェンジや人生設計を立てるにはMBAより自身の健康、家族を優先させるべきですので仕方がないことだと思います。
自分でコントロールできる範囲は限られていますが、それでも自身の健康については、ある程度コントロールできます。仕事や出願準備で忙しくても、規則正しい生活をしてバランスの良い食事と適度な運動に心がけることです。
私はクライアントさんとの対面打ち合わせの最後に「健康には十分気を付けて下さい。」とよく言います。特に私のクライアントさんの多くは、普段は激務に終われる猛烈サラリーマンが多いので余計に心配になるんです。
モチベーションが維持できないとか、進路を考え直した、などの理由でMBA留学を中止、中断するならともかく、健康の問題であきらめせざるを得なくなるのは一番悔しいではないですか。
家族の問題はコントロールが難しいですが、少なくとも自分の健康にだけは気をつけて、MBA留学をあきらめてしまうことのないようにしましょう。
■まとめ
この仕事をしているから言うわけではないですが、私は今まで、MBA留学をして後悔した人にはあったことがありません。極端な話、留学して講義について行けず失敗したとしても、後悔することはないと思っています。それくらいMBA留学は貴重で素晴らしい経験になるはずです。
今の時代、同じ会社にずっとしがみついていると50代、60代になってそのツケが回ってくる可能性が高いです。
良い悪いは別として、充実したキャリアチェンジや人生設計を立てるためには、先輩方がどのような理由でMBAをあきらめてしまったのかを知っておくに越したことはありません。
■キャリアチェンジ目指すはずが!MBA留学を諦めてしまう理由4つ
1.転職先が決まった
2.IELTS/TOEFLのスコアメイキングができない
3.モチベーションが維持できない
4.健康上の問題/家族の問題
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