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日本の子供にクリティカルシンキングを教えるには

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クリティカルシンキング

2020年の大学入試の大規模変更の影響か、「クリティカルシンキングとは一体何?」「よくわからないけど、子供には学ばせたい!」「クリティカルシンキングの勉強法は?」などのお問い合せが増えて来たように感じます。


「クリティカルシンキングを子供に学ばせるには、留学させることが必須かも!」という少々短絡的な結論に至る方もいるようです。

先日もこのようなお問い合せをいただきました。

「カナダではカリキュラムにクリティカルシンキングがあるのですか? それとも、留学生にだけ、クリティカルシンキングの指導をしてくれるのですか?」と。


確かに、クリティカルシンキングの存在しない日本から見ると、カナダやアメリカのクリティカルシンキングとは一体何だろう、それも教科のひとつなのか、との勘違いもありえますね。


日本で38年間クリティカルシンキングを指導中、何度もコラムや講演でお話しました。

現在はカナダ在住の立場から、「クリティカルシンキングとは何なのか」「どうしたら日本の子供にクリティカルシンキング指導が出来るのか」を改めて簡単に解説してみたいと思います。

 

1.クリティカルシンキングは学問ではありません。


自分の周りで起こる事柄を、分析し思考する過程に過ぎません。

従って、学校での教科などではありませんし、留学生にも授業で教えられるものでもありませんし、成績をつけられるものでもありません。


日本の子供に、クリティカルシンキング思考法の芽を作ること自体、非常に難しいです。

社会にも、家庭にも存在しない思考法が完全に身につくことは、まずあり得ません。

従って、確立した学習方法は存在しませんが、私個人がデザインした様々な方法で、長年日本の子供の脳を訓練して来ました。

主に基となったのは、自分自身が勉強したカナダ・アメリカの大学でのコースの内容です。

大学レベルのクリティカルシンキング思考法に対処するには、小学・中学・高校を通して必須の訓練をカリキュラムにしてあります。



2.英語圏の子供たちは、言葉を使えるようになるのとほぼ同時期に、クリティカルシンキングを使い始めます。


カナダやアメリカ社会には普遍的に存在するクリティカルシンキングです。

その中で言語能力を発達させる幼児の脳が真っ先に学習するのが、クリティカルシンキングです。

親は幼児への語りかけに”Why”を多く用います。

それがクリティカルシンキングの大切な第一歩だからです。

また、”Why”に答えるためには、自分の周りの観察と、その観察を簡単な描写表現にする能力が必須です。

それが、幼児期のEnglish Native Speaker の言語発達過程です。


日本人の子供にも同様の発達を促す方法が必要です。

長い年月をかけ、根気強く”Why”と”観察”の大切さを訓練して行きます。

それと同時に、英語の本当の意味の能力も育っていきます。

あるコースを取ったからと言って、急に身につく能力ではありません。


3.英語圏の子供たちは4歳を超えるあたりから、”Why?”の質問を頻繁にします。


一度4歳か5歳くらいの男児とその父親が、電車の席に向かい合わせに座ったことがあります。

約15分ほどの間に、なんとその男児は爆弾のように”Why?”の質問を父親に畳み掛けました。

車窓、車内で自分が観察したことを、全部”Why?”で質問していました。

父親はそれに根気よく、しかも論理的にきちんと答えていたのも感動でした。

これがクリティカルシンキングの国か!と。


周りの大人も、観察と「なぜ?」の思考過程を育める環境を作ります。

と言ってもマニュアルがあるわけでもなく、意識的にやっているわけでもありません。

周りの大人自身も、クリティカルシンキングの中で育ったので自然と出てくる行動です。


IKEAの子供用ベッド売り場でのこと。

4歳くらいの女児があるベッドを指差して、母親にこう言いました。

“I like that bed.” 母親はそれに”Why?”で返事をしました。

“Why do you like that bed?” 子供はきちんと具体的に答えていましたよ。

“I like the colour, pink, and the bed is huge! I like big beds.”


「観察」 “Why” の次にクリティカルシンキングに必須なことは、「具体的」な思考です。


日本の子供には「具体的思考」が欠如しています。

“WHY”「観察」に至っては無いにも等しいです。

お上に「なぜ?」を唱え、お上の決めた事実より、自分の観察を信じるなどタブーなのが日本です。

その日本社会の常識に反して、子供に「なぜ?」を教えることは非常に難しいです。

  

4.カナダやアメリカの幼稚園・小学校・中学校の目的は、子供たちのもともと持つクリティカルシンキング思考を、更に高いレベルまで持っていくことです。


膨大な量の読書、エッセイwriting を課すカリキュラムは、本の内容、周りの観察、自分の経験、授業で習った歴史的、地理的、科学的真実、仮説などを、クリティカルシンキング思考から逸れずに分析、表現する能力を育てるためのものです。

その能力が大体上位30%レベルの子供が、大学進学を目指します。

大学は、クリティカルシンキングを最大利用し、自分の専門分野を研究する場所です。

日本のように、誰でもが行くところではありませんし、行けるところでもありません。


高校までで、クリティカルシンキングレベルが劣る生徒は、高校卒業までがやっとの国です。

ですから、カナダでは、大学教育を受けているかいないかが、大きなレベルの差となっています。

単なる「大卒」の肩書ではなく、中身の濃い差が存在します。


カナダ・アメリカへの留学がいかに無謀であるかは、ここからもおわかりだと思います。

中学・高校まで日本式教育を受け身一辺倒で経てきた子供達が、いきなりカナダでクリティカルシンキング上位30%グループと同じ授業を受けてついていけるなどと考える事自体、狂気の沙汰です。

カナダの「高校卒業までがやっと」のグループよりも能力が劣るのが日本からの留学生です。

  

5.クリティカルシンキングの国、カナダ・アメリカでは、日本からの留学生は宇宙人並に不可解な存在です。


カナダ・アメリカ側の観察と「なぜ?」:

英語も出来ないのに、なんでわざわざ英語の国に勉強に来たの?

精神的にも幼い(カナダ・アメリカの同年代よりはるかに幼い日本人です)のに、なんで親元にいないの?

特別に能力もないのに、なぜ外国で高いお金を払って勉強しているの?


これら疑問に、英語で具体的に答えられる日本人留学生なら、恐らくクリティカルシンキングの国の仲間に入れるかもと思います。

学校の友達同士の会話も”Why?” の連続ですから、それにもついていけるクリティカルシンキング思考が必須です。

そうでないと、友達は出来ません。


不可解な存在のままの日本からの学生は、カナダ・アメリカの中で自分だけの日本空間を作り、孤独に過ごし、クリティカルシンキング思考など全く理解しないまま、学位も取れずに帰国することがほとんどです。

そして、カナダ・アメリカでは「日本人は何をしに来てるの?」度が高くなり、目にも入らない薄い存在となって来たのが、現状です。


6.日本人向けクリティカルシンキングのカリキュラム


過去5年間で計3回、クリティカルシンキング入門編無料オンラインコースを開講しました。

各回、35,000名ほどの大きな反響をいただき、クリティカルシンキングへの興味の高さを実感しました。

もちろん、そんな促成コースではクリティカルシンキング理解など、まだまだ無理です。

クリティカルシンキングとは一体何かを、垣間見る経験だけでもとの思いからの開講でした。


子供向けには主に、カナダの小・中・高校のカリキュラムから、日本の子供の英語レベルに修正したもカリキュラムをデザインしました。

日本の子供の目の色が変わっていくのを感じましたね。

自分の脳が観察したものを、形にしていく満足感でしょうか。


現在は、幼い時から指導している一部の日本の生徒向けに、カナダからオンラインで指導を継続しています。

日本人にしては稀なクリティカルシンキング思考が、少しづつ育っているのを感じます。


ただし、そのような優秀な頭脳を持った日本の中学・高校生でも、カナダへの高校留学は勧めません。

クリティカルシンキング能力の差の大きさが一番の理由です。

カナダの上位30%に匹敵する能力のある生徒のみ、留学の意義が達成出来ると思います。

ただし、入念な事前準備と、カナダ側での個人に合わせた最適な環境が欠かせません。

留学エージェントを通す留学では不可能なルートです。


_____________________________

気の遠くなるような長い道のりの特訓が必要なのが、クリティカルシンキングです。

「でも、でも、何か日本で親に出来ることは?」とわらにもすがる思いの方にお勧めの方法がひとつだけあります。


本をいっぱい読む子に育てて下さい。

塾よりも、何よりも、本を読む楽しみを奨励し、読書時間がいっぱいある環境を用意。

「親の姿を見て子供は育つ」ものですから、もちろん親も子供と一緒に本をたくさん読むこと。

読んだ内容について、親子で”Why?”を具体的に会話するのが日常となれば、クリティカルシンキング習得にかかる時間は大幅に短縮出来ると考えています。

科学的研究からも、私自身の38年間の経験からも。


Good Luck!


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(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)
Super World Club 代表

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Edmonton, Canada 在住。カナダ高校留学の裏側を発信、迷っている日本人留学生支援を行っています。また、日本の子供向けクリティカルシンキング指導オンラインスクール開講中。

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クリティカル・シンキング(2017/12/31 09:12)

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