【専門家に聞く！】個々のライフイベントを把握しよう

ライフイベントの確認

―――ライフデザイン・ライフプランのことがわかったので、改めてライフプランをつくってみようと思います。

「その前にもうひとつ重要なことがあります。ライフイベントを確認しましょう。わたしたちは人生の中で就学、就職、結婚、出産・子育て、住宅購入、リタイアなどさまざまなライフイベントを経験します。
こうした多くの人に共通することに加えて、車の購入、引越し、別荘の購入、バリアフリーへの改築、老人ホームへの入所…住宅を購入する予定があれば屋根の葺き替えや雨漏り対策など個々のライフイベントもあります。
また、自分や家族の傷病、介護、失業、離婚、事件・事故・災害といったライフイベントも経験するかもしれないことを忘れてはいけません」

―――どうして、ライフイベントを確認するのですか？

「ライフイベントの多くは、楽しみであると同時に、大きな出費を必要とします。これを把握するのです。ライフイベントと夢や希望を時系列に書き出してみると、ライフイベントが続いたり、重なる時期が見えてきます。
例えば、車の購入や子どもの進学等の時期が重なると、まとまった資金が短期間で必要になります。文部科学省が調査した「子どもの学習費調査」によると、公立に通う中学生1人あたりが必要とする教育費は年間約45万円。それに対し、私立に通う中学生は約130万円と約2.9倍になっています。特に私立の第1学年にかかる教育費は高く、約156万円になっています。
進学を控えた数年間は学習塾など受験対策費用も必要になるかもしれません。車の購入時期をずらせるか検討することができるし、今から必要資金の準備を始めることもできます」

ライフイベント表の作成

―――どのようにまとめればいいのですか？

「ライフイベント表を作成しましょう。初めに自分と家族の年齢を年次に従い記していきます。そして、イベントと夢や希望、必要経費や予算を書き加えます。期間は現在から余命プラス数年を目安としましょう。
イメージしにくい場合、期間を大きく区分します。現在からリタイアまで、セカンドライフを楽しむ期間、75歳を目処とする健康年齢後の生活期間、この3つに分けて書き出してみましょう。作成時は、家族と話すことが大切です。トラブルを防ぐだけでなく、それまで聞いたことのなかった家族の夢や価値観を知るきっかけにもなります。内容は予定や目標でいいのです。目に見える形にしておくことが重要です」

未婚者で結婚をお考えのライフイベント表サンプルです。


インタビュー／文・岩﨑美帆

文責

FP学会会員　吉野充巨

ファイナンシャルプランニングと投資助言で人生設計から資産形成までサポートする保険や投資信託等金融商品を販売しないフィーオンリーのアメリカ型ファイナンシャル・プランナー≒独立系顧問料制アドバイザー。

【保有資格】
ファイナンシャル・プランナー:日本FP協会認定CFP®
日本証券アナリスト協会認定　プライマリー　プライベート・バンカー
宅地建物取引主任者　(東京) 第188140号
(公財)東京都防災・建築まちづくりセンター登録まちづくり専門家
登録ロングステイアドバイザーロングステイアドバイザー