【専門家に聞く！】「ライフデザイン」とは何ですか？

ライフプランとライフデザイン

―――生涯の生活設計を意味する「ライフプラン」という言葉が広く知られるようになりました。インターネット上で簡単な質問に答えていくだけでライフプラン診断ができるというので、サービスを試してみました。ものの数秒で出てきた棒グラフと折れ線グラフの表に、人生が映し出されました。人生は、こうした味気ない表に集約できるものなのでしょうか？思い付くままに「家族旅行」や「趣味をはじめる」と書き加えてみても現実味が感じられません…。

「それは『ライフデザイン』に目を向けていないからです。ライフプランは、どう暮らすかということであって、その前提には、どう生きたいか、一人ひとり価値観があるはずです。この価値観を『ライフデザイン』と言います。『結婚や出産をするか、しないか』『転職や起業をするか、しないか』『生涯働くか、老後はゆったり暮らすのか』など、人生における選択や決断を左右しているものです」

ライフデザインとは？

―――どう生きたいか…ですか。いまいちライフデザインが見えません。

「ライフデザインに良し悪しはありませんよ。金銭的に豊かな生活を望む方がいれば、心の豊かさを求める生き方もあります。あなたの夢や目標は何ですか？また、自分はこれまで何を大切にしてきたのか、これから何を大切にしたいのか考えてみましょう。自分が求める生活の質や仕事の質が見えてきます」

ライフデザインは必要か？

―――ライフデザインを持たないとダメですか？

「現代には多様な生き方があります。家族の在り方では、シングル・ディンクス・共働きなど。就業形態については、会社員・自営業・派遣・フリーランスなど。転職も当たり前です。
多様化にともない、給与体系は従来の終身雇用・年功序列型から、成果主義へ移行し、退職金制度を廃止する企業もあります。また、日本の制度は素晴らしいとはいえ、公的年金制度を中心とした社会保障制度には不透明な部分もあります。お金にかかわることが様変わりしているのです。こうした時世だからこそ、自分のライフデザインがなければ、満足できる人生は過ごせません。

下図はライフプランとライフデザインのイメージ図です。
ライフデザインとライフプラン人生の両輪です。


ライフデザインができると、目標が設定でき、長期・短期の計画も立てられるようになります。こうしてはじめて、自分のライフプランを方向づけることができるようになります。ただ、人生には予期しないことが付き物です。ライフプランを立てるとともに、リスクマネージメントも行っていくことをお忘れなく」

インタビュー／文・岩﨑美帆

文責

FP学会会員吉野充巨

　ファイナンシャルプランニングと投資助言で人生設計から資産形成までサポートする保険や投資信託等金融商品を販売しないフィーオンリーのアメリカ型ファイナンシャル・プランナー≒独立系顧問料制アドバイザー。

【保有資格】
ファイナンシャル・プランナー:日本FP協会認定CFP®
日本証券アナリスト協会認定　プライマリー　プライベート・バンカー
宅地建物取引主任者　(東京) 第188140号
(公財)東京都防災・建築まちづくりセンター登録まちづくり専門家
登録ロングステイアドバイザーロングステイアドバイザー