メニューを、食事しながら見てる楽しみってあるので、
メニューブックは手元に置いておきたい。
でも、お料理の皿の邪魔になったり、立てておけばパタンと倒れてきてグラスをこぼしそうで怖いから、まあメニューは下げてもらってもいいか…。
なーんていうのを、なんとかしたくて考えたのが、こんなメニュー挿し。
『テーブルに穴をあける』という、ちょっとしたアイデアなんだけど、ホントにテーブルの上がスッキリ素敵になったんですよねー。
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写真は、吉祥寺のイタリアンレストラン。夜の深い時間をじっくり楽しめる素敵なお店でした。(現在は西荻に移転。)
もともとは私たちのウェディングパーティの2次会をさせてもらったのが縁で、本当に美味しくて時々訪れてるうちに、店舗の改装デザインをやらせてもらったのでした。
ウチは外食が好きなのであちこちご飯食べに行きます。そこで、不安定で邪魔になってしまってるメニューを見るたびに今も、
(あぁ、テーブルに穴開ければいいのに…)
って言葉が喉元まで出掛かります。
このテーブルをつくってくれたのは家具工房ma-GUさん。そこへ、いい感じの革を選んできて、ベルト状にカットして、気持ちイイ深さに調整して、留めつけていった。(メニューブックもデザイン)
こういう、手探り、図面に表現しきれないところって結局、ゴチョゴチョゴ手作りするのは私。引き渡し前のアレもコレも忙しいときに、加えてこういう作業を夜中にすることになるんで、
大変すぎて(あぁ、もうやめちゃおうかな…)って思うんだけど、仕上がって使われ始めた時に、やっぱこの手触りが大事なんだよなぁって、実感する。
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メニューブックって、そのお店の夢が詰まってる感じがするんだよね。私はお客さんとしてそう見てる。
だからオーダーが済んだらテーブルから下げちゃうんじゃ、ホント勿体ない。お料理が来るまで読んでいたいし、食後にコーヒー飲みながら、スイーツいっちゃおうかなぁとか次回はこれを食べてみたいなぁとか思いながら、パラパラめくってるのは楽しい。
かといってグラスにバタンと倒れてきそうなのは、ヤよ。
『デザイン』ってそんなにビックリするほどカッコ良くなくても、エレガントでなくても、良くて、
単純に『短所是正』と『長所進展』を一挙に解決したときの、気持ちよさが好きだなぁ。こういう、メニューブック挿しみたいな。
須永 豪
須永豪・サバイバルデザイン
http://sunaga.org
追伸:
この吉祥寺の『レストラン ラグーン』はなくなって、
いまは西荻で『かきぞえ食堂』ってお店をされてます。
http://tabelog.com/tokyo/A1319/A131907/13170265/
空間もテーブルも、もうなくなっちゃったけど、
柿添さんのお料理は健在!!
カルパッチョがスッゴイおいしいんだよねぇ。
あとカニのパスタ。
(これがまた、深夜のまったりした時間にいただくと、ホント至福)
料理はセンスなんだなぁって、思います。
お近くでしたら、ぜひ一度味わってほしいな。
このコラムの執筆専門家
- 須永 豪
- (長野県 / 建築家)
- 須永豪・サバイバルデザイン
響きあう木の空間
森や山と人、地球が健全に回っていく様子を見届けたい。 木を街に届け人の営みに森をもたらし木が、森が、地球が、生命が、人が、そして星々や宇宙までもが響あいはじめるそんな木の建築空間宇宙の意図が起動する響きあう木の空間をつくろう
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