- 吉野 充巨
- オフィスマイエフ・ピー 代表
- 東京都
- ファイナンシャルプランナー
お客様の多くは日本の居住者のため、気になりながらも銀行口座の扱いについては正式に調べておりませんでした。そこで、今回は複数の銀行に問い合わせいたしました。インターネット専業の銀行は調べておりません。
調べた結果、殆どのケースでこの扱いになろうかと思います。銀行名はこのコラムでは明示しません。
ロングステイなどで非居住者になる可能性のある方は、ご自身の口座がある銀行窓口でご確認ください。
多くの銀行は、電話での対応は否です。口座のある支店にて相談するよう回答があります。
訪問すると、非居住者届を出すよう要請されます。この届を出しますと、一部制限付きで自身の口座を使用することが出来ます。その制限とは、非居住者になる時点でインターネットバンキングが使えなくなります。支店での入出金や送金手続きに為ります。
自分はインターネット取引をしているという方がいらっしゃいますが、それは届を出していない方です、非居住者になることが分かれば、必ずお客様に非居住者届か解約をお勧めするとのことでした。
ただ、届け出は強制ではないので、多くの方が届けていない可能性があります。銀行サイドからは届け出を出して、ネットを停止したいのですが、仮に非居住者であることが分かっても、強制的に停止は出来ないとのことでした。この場合には届を出してもらうよう要請があります。
ところで、口座があっても困らないケースは届け出住所に親族が住んでいらっしゃるか、かなり頻繁に日本に戻ってくる方と推察できます。口座にとどけている住所に銀行から郵便物が届きます。この書類の処理が出来ないと今後は口座の維持が困難かと思います。
なお、銀行の担当者から「徹底的に探さざるを得ない」との回答がありました。
ところで、別な観点から口座の解約をお勧めします。
それは、円安など為替変動への対応が出来ないことと、低利の日本で資産を寝かせるだけになってしまうからです。
ご承知の通り、今回の円安では、一部の国を除き居住国の通貨で大きな損失が出ています。例えば米国に住んでいる場合は、2011年時点に1,000万円の預金は米ドルで125,000米ドル(1ドル80円)に相当しますが、2015年現在では約80,650㌦(1ドル124円)です。米ドルでの損失額は44,350ドルになり損失率は約35.5%です。日本の銀行預金金利は極めて低いので丸損です。
一方、2011年当時に口座を解約して米国で銀行に預ければ、資産運用が出来ます。また、運用しなくても、2015年に帰国すると、125,000ドル×124円=15,500,000万円になり、4年間で55%の収益率で運用したことに為ります。
たまたま、円高の時と円安の時を比べたもので、このようになるかは運ですが、資産の運用が出来ないという事実は、資産運用・資産保全の観点から大きなデメリットに為ります。
私は長期間非居住者になるために出国される場合は口座を解約して資産を持ちだすことをお勧めします。それが出来ない場合には、日本に常任代理人を置いて管理を任せることをお勧めします。(常任代理人を契約できる証券会社もあります)
ただし、会社勤めで、海外赴任される場合は数年で帰国されますし、給与等が従来口座に振り込まれます。従って別途対応となりますので現在口座のある支店にご相談ください。
ところで、個人向け国債を、銀行を通じて購入された場合についても、問い合わせいたしました。ご存じの通り個人向け国債は居住者向けの商品です。
銀行で購入するケースと、銀行が仲介した証券口座で購入するケースがあります。いずれも、売却する必要はないとの回答ですが、各年の利金(源泉徴収されます)や満期の償還金は当該銀行口座に入金されます。従いまして、資産を使わないとの観点であれば放っておいても良いのですが、資産を有効に活用するためには、解約して現金に変え国外に持ち出すことをお勧めします。投資信託等も同様です。
FP学会会員
独立系顧問料制ファイナンシャル・アドバイザー
オフィス マイ エフ・ピー 代表 吉野 充巨
ファイナンシャルプランニングと投資助言で人生設計から資産形成までサポートする保険や投資信託等金融商品を販売しないフィーオンリーのコンサルタント。
あなたのセカンドライフ・プランに適した期待リターンとリスク許容度で資産配分とポートフォリオ構築を口座開設から銘柄選定までサポートします。
【保有資格】
ファイナンシャル・プランナー:日本FP協会認定CFP®
日本証券アナリスト協会認定 プライマリー プライベート・バンカー
宅地建物取引主任者
登録ロングステイアドバイザー
独立系顧問料制アドバイザーとは
http://www.officemyfp.com/komonryouseiadviser.html
『このコラムは、投資判断の参考となります情報の提供を目的としたものであり、有価証券の取引その他の取引の勧誘を目的としたものではありません。
投資による損益はすべて読者・ご相談者ご自身に帰属いたします。投資にあたりましては正規の目論見書、説明書等をご覧いただいたうえで、読者・相談者ご自身での最終的なご判断をお願いいたします。
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