- 吉野 充巨
- オフィスマイエフ・ピー 代表
- 東京都
- ファイナンシャルプランナー
対象:家計・ライフプラン
- 吉野 充巨
- (ファイナンシャルプランナー)
- 吉野 充巨
- (ファイナンシャルプランナー)
前回は、持家世帯と借家世帯の家計支出を紹介しました。今回も住居費割合や資金の調達先及び持ち家・借家の国際比較等を国土交通省平成26年住宅経済関係データから紹介します。
■住宅の所有関係別住居費支出の割合の推移
下記は家計で示した割合の推移です。
平成元年時では、持家と民営借家世帯の家計支出に占める住居費割合は同じレベルでしたが、平成20年以降に開きが出て、平成26年では2.7㌽の差になっています。
・同じ借家でも公営借家の場合は割合が9.6%ですので6.6㌽の差になります。
・給与住宅(社宅等)の場合の割合は4.6%ですので、持家との差は11.6㌽にもなります。
私が登録している質問サイトで社宅住まいから持ち家を考えているとのご質問があるのですが、私は出来るだけ長く住むことをお勧めしています。その根拠でもあります。
■新設住宅着工戸数の推移
下図は新設住宅着工件数の推移です。
着工戸数のピークは平成8年で順次減少し消費税増税の影響で平成22年~平成25年は上昇しましたが平成26年には下がっています。持ち家率の高止まりと少子高齢化の進展で、今後も着工戸数は減少すると考えています。
むしろ空き家の増加問題が深刻化すると思われます。
■分譲住宅購入者の資金等比較 国土交通省
下表は一戸建ての購入者と集合住宅購入者の属性と資金の調達方法です。
一戸建ても集合住宅も自己資金の割合は平均で3割を超えています。頭金なしでも買えるとの広告もありましたが、購入者の方達は賢く頭金を調達しています。住宅ローン金利が低いとはいえ、質実な選択かと思います。
・住宅ローンの名目金利は低いのですが、デフレ時は実質金には下記の式で求められますので、実際は高負担の金利でした。
実質金利=名目金利-予想インフレ率⇒(デフレ時は名目金利にデフレ率が+です)
この表はアンケート回答者の平均値ですのでご自身の予定と比べる際にはご注意ください。
私は、借入額は「返せる金額」が重要と考えています。借入金返済率が20%以下を目途とされるようお勧めしています。残りは自己資金をご用意されるようお勧めします。
■所有関係別住宅ストックの国際比較
持家・借家に住むという選択の中で日本の状況は国際比較の上で下記のようになっています。
表に有りますように、日本、イギリス、米国は持ち家率が60%を超え、フランスは57%でドイツは持ち家比率が逆転し45.7%です。借家でもイギリスとフランスは公的借家が多いのが特徴です。持ち家率の高さ、民営借家の多さで日本は米国と似ています。
■持家・借家の国際比較
ところで戸建て住宅の共同住宅の借家割合に日本が他の国と特異に変わることがあります。
■戸建て住宅借家率の国際比較
それは下図に示されるように戸建て住宅の貸家が少ないことです。もともと日本は滅失に至る年数が極端に短いので、致し方ない点もありますが、良質な住宅を提供することで、住宅資産の保全が為されると良いと考えています。
今後も空家が増大します。売れないのであれば家主がリノベーションして貸家とするか、早めのリノベーションで売却するかをお考えください。
文責
FP学会会員
独立系顧問料制ファイナンシャル・アドバイザー
オフィス マイ エフ・ピー 代表 吉野 充巨場合があります
【保有資格】
ファイナンシャル・プランナー:日本FP協会認定CFP®
プライマリー プライベート バンカー:日本証券アナリスト協会認定
宅地建物取引主任者 (東京)第188140号
ロングステイ財団登録ロングステイアドバイザー&登録講師
独立系顧問料制アドバイザーとは
http://www.officemyfp.com/komonryouseiadviser.html
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