- 敷浪 一哉
- 有限会社シキナミカズヤ建築研究所
- 建築家
対象:住宅設計・構造
「マンションを賢く購入する方法」。
この中で、マンション建設にかかる費用の内訳を紹介し、
「利益は全体の約5〜10%です。だから、5000万のマンションならば250〜500万くらいまでを値引きの目安とするといいでしょう。がんばって交渉しましょうね!」みたいなことを専門家と称する人が言ってました。
おかしくないっすか??
利益は余分なお金なんですか?
おかしいでしょ。利益で会社を運営するわけでしょ。ボランティアで建設されたものが正しくて、利益は余分なものなのだって言ってるようなもんでしょ。
こういう感覚を消費者に植え付けたら最悪じゃないですか。
ものの価値というのはそういうものじゃないですよ。
本人がこの買い物に満足したかどうかでしょ?
満足してるのならいくら払ったって関係ないじゃないですか。
普通こういうのは欠陥住宅に当たらないように見分ける方法とか、住んでから見つけてしまうことの多いミスなんかを紹介して、それを購入する前にチェックできるように促すのが本当であって、実は価格の内訳はこうなっていて、ここは儲けだからゴネれば値引きできるかもしれませんよ なんて最悪ですよ。
僕はGX100というリコーのデジタルカメラを持っていますが、現在は僕が買った頃よりも定価が1万円ほど安いです。発売当初から比べたら2万円も下がっています。じゃあ高く買った人は悪くて安く買えた人が偉いんですかいな?そうじゃないでしょ。GX100を手に入れたことは皆変わりなくて、その性能だって同じですから、手に入れたという価値はまったく一緒なんですよ。GX100とGX200は違いがありますよ。性能も違うし。どちらがお徳かという判断もあるでしょう。
価値ってそういうもんでしょ?
これは給料の高い仕事が偉くて安い仕事が悪い という意識が根強く残る日本社会の感覚そのものですよ。
久しぶりに腹の立つ番組をみましたよ。
建築と建築家と設計事務所と住宅と横浜と家族と・・・
シキナミカズヤ建築研究所