こんにちは、石川です。
お正月も3日目ですが、どんな毎日をお過ごしでしょうか?
この3日間に毎年恒例の行事があります。
一つ目は、親戚の家で、皆で飲んで、騒ぐことです。
子供達も従兄弟と触れ合ういい機会です。
もう一つは、今回のテーマでもあるわけですが、気の置けない旧友数人と会うことです。
旧友におこったこと、そして自分が何ができるのか、ということ
この旧友たちは、中学校からずっと付き合いのあるメンバーで、過去をわいわい語り合うだけでなく、本人のためになることも「ずばっ」と言い合う間柄です。
盆と正月に会うようにしていますが、メンバーが全て揃う事も、高校卒業30年経つと、少なくなってきました。
私にとって、このメンバーはとても大事な「仲間」「戦友」のようなものなんですが、そう感じるのには理由があります。
私、高校卒業後、何を血迷ったのか、東京で浪人生活をすることにしたのです。
詳しいいきさつは省きますが、簡単に言うと、修学旅行で、「東京の魅力」に取り付かれてしまったのです。
そんな私は、東京の浪人中に、受験の失敗から「引きこもり」状態になってしまいました。
しかも3年間も!!
結果的に3年かかり、やっと大学に入学しましたが、私はいわゆる「地方の進学校」の出身なので、その自堕落したような「なりの果て」をさんざん皮肉られたものですし、そういう私から離れていったかつての同級生も沢山いました。
しかし、このメンバーは、そんな私を見捨てることなく、今まで通りに付き合ってくれました。
ですから、私にとってはとても大事な人たちなんです。
そんな仲間の一人に、昨年、大きな災難が降りかかりました。
仕事中に労災事故にあってしまい、下半身を数箇所骨折して、長期入院してしまったのです。
彼に昨年会った時のことは、強烈なインパクトで憶えています。
杖が手放せなくなり、数メートル歩くのでも苦痛に顔がゆがんでいました。
リハビリもしていましたが、それも上手くいかず、苛立ちが最高潮に達していました。
事故のショックからか記憶も曖昧で、頭もうったらしく、ぼーとしていて、彼の顔には笑顔が消えて、まるで鉛色に見えたのです。
長期入院を終えて、実家に帰って来ていたので、飲みにも行きましたが、自暴自棄になっていて、いつものメンバーも心配していました。
次の日、実家で寝ている彼を訪ねました。
ご高齢のお母さんが「何とかしないといけないけど、私も体調が悪いので。。。」と心配していたのが、心に突き刺さりました。
なんとかしないと。
どうしよう、なんと声をかけよう。
暫く、無言の本人の横で、考えました。
「とりあえず、ここで少しずつ、リハビリしたら、お母さんも安心やし」
無言でした。
そうだ、何か気がまぎれることを。。。
彼の趣味を思い出し、その趣味を行かせるボランティアでもしないか、と誘いました。
高齢者や、障害のある人に、逆にサポートすることで何かを感じてもらえれば。
無言でした。
その時に私が作り上げていた、福祉分野での人脈を駆使して、何とかできないだろうかと、それからもいくつも提案しました。
「色々、すまんねぇ。でも、今の体では、そんなこと考えられないから」
そうです、私には彼の「痛み」「悲しみ」「恐怖」「後悔」「諦め」などの感情が理解できるわけがありません。
出すぎたことをしてしまった。。。。
凄く心配でしたが、ひとまず、別れました。そして、時間が解決できる可能性にかけることにしました。
その彼に暫くぶりに、仲間との新年会で会いましたが、そんなことがあったことすら思い出しませんでした。
そうなんですね、凄く「元気」だったのです。
大声で笑い、冗談をいい、歌い、数時間を過ごしたのです。
その事実に気付いたのは、かなり酔いが回ってからでした。
2人でタクシーでかえっているときに、彼がこういいました。
「あの時はありがとう。いろんなことを勧めてくれて、本当にありがとう。あの時はそれに応えることが出来ずに、本当に申し訳なかった。でも、ちゃんと聞いていたよ、全部」
胸が熱くなりました。
よかった、伝わっていたんだ。
凄く迷惑ではないかと思ったけれど、自分のできることをなんとかできないだろうか?
その想いだけで、あの時は喋りました。
でも、よかった、本当に。
奇跡を諦めるのは、いつでもできる!!
私には軽度知的障害の小学生の娘がいます。
発達が遅れているので、色んなことができません。
その娘に対して
「これ、言ってもわからないかもしれない?」
と諦めることもあります。
しかし、彼の一件で、眼が覚めました。
確かに、今は、親が必死でサポートすることに、彼女は自分の気持ちを言い表せないのかもしれません。
それゆえに、どんな想いなのかがわからず、彼女に伝わっているんだろうか、と心配になったり、不安を覚えたりしてしまいます。
でも、彼女の想いを数年後に聞く事ができるかもしれません。
その時期が「今」ではないだけかもしれません。
そんな事を今回のことで学びました。
以上、新年の奇跡のお話でした。
ではまた、お会いしましょう!
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