生活保護と生活困窮者自立支援事業を考える~福祉FPのつぶやき - お金の悩み・生活苦 - 専門家プロファイル

石川 智
オフィス石川 代表
高知県
ファイナンシャル・プランナー

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閲覧数順 2017年06月25日更新

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生活保護と生活困窮者自立支援事業を考える~福祉FPのつぶやき

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FPとしての使命 福祉分野での活動

こんにちは、石川です。

 

アベのなんとかで、少しは懐が温かくなった人もいらっしゃるでしょうが、私が住んでいる高知県では、株や投資信託や変額保険で美味しい想いをした人ばかりでもなく、また、大企業のサラリーマンが多いわけでもなく、なんとなく「あまり変わらないなぁ」という閉塞感をもたれる人がほとんではないか、と思います。

 

というタイミングで、丁度高知新聞のインタビューがありましたので、家計の専門家という立場から、言いたい事を言わせて頂きました。

 

高知新聞「62万人の声・社会保障の先行き示せ

 

この記事では、社会保障全般のことに触れているようになっていますが、実は私がこのインタビューで声を大にして言いたかった事は

 

「生活保護費の件と、生活困窮者自立支援事業のこと」

だったのです。

 

今回は、その件に少し触れてみます。

 

まず、生活保護費のことです。

 

先日の新聞でも触れられていましたが、冬季加算や、住居費が削られるようです。

 

<生活保護>住宅扶助190億円減額 17年度、厚労省

 

私は実は、生活保護世帯の人に「日常生活自立支援事業」の生活支援員として、毎週わずかな金額のお小遣いを渡しにいっていますし、もっと厳しい環境で暮らしていた生活保護の人を知っています。

 

また、私の知人も事故にあい、先日、生活保護の申請をしたばかりなんです。

 

生活保護世帯への国民の不満は、その大半が不正受給者への非難なんですが、実は、そういう人たちばかりでなくて、本当に困窮していて、この生活保護制度で救われる人もいます。

 

しかし、その一方で

 

「生活保護費で暮らしている人よりも、年金生活の方や母子家庭の方が金銭的に苦しいのはおかしいのでは?」

 

という意見もあり、それが「生活保護費を支払いすぎでは?」「生活保護費を貰った人になぜ金銭教育や使い方の指導をしないのか?」という意見に繋がっているのも事実です。

 

しかし、生活保護の現場で支援をしている経験から言えることは

「生活保護費が高いのではなく、他の社会保障制度(年金など)が低いのでは?」

ということです。

 

さらに、この生活保護費の件と関係が深いのですが、もう一つの、生活困窮者自立支援事業の件でも私としては提言したい事があります。

 

皆さんがご存知かどうかわかりませんが、平成27年度(4月)から、日本中で、先ほどの生活困窮者自立支援事業がスタートします。

 

私も高知県社協といっしょに、この事業のモデルケースとして、11月から「家計相談事業」の方を担当しています。

 

この事業は、簡単にご説明すると

「今後、生活に困窮しそうな人(予備軍と言えばいいでしょうか)にこちらからアプローチして、その人が今後、生活保護などの困窮者にならないように、就業などの支援をする」

というものです。

 

詳しくはこちらのリンクを読んでください。

 

もちろん、制度の狭間で苦しんでいる人に手を差し伸べる方法がなかったわけで、そのためにも有効な社会福祉上の制度だと思います。

 

しかし、今後、生活保護費が削減されるというニュースがありましたが、実際のところ、生活保護費が膨らみすぎていて、これ以上増えないように出来ないだろうか、ということも当然含まれていると思いますが。。。

 

この生活困窮者自立支援事業は、就業への橋渡しをする貧困の連鎖を起こさないように子どもへの学習支援をする衣食住の支援をする、そして家計相談する、などの事業で構成されていますが、実は、私が関わっている家計相談事業は任意事業で、任意=しなくてもいいものなんです。

 

ここが私には全くわかりません。

 

なぜ、家計相談が「必須」でないのか。。。

 

そもそも困窮者は「何らかの事情」で、「家計が崩壊して」いるからこそ、困窮しているのです。

 

就業を成功させて、それでおしまい、で本当にその人が「生活困窮から完全に抜け出せた」といえるのでしょうか?

 

家計の勉強をしないまま、数年後に似たような「環境」に逆戻りしてしまわないでしょうか?

 

予算的なことや、マンパワーのことが「任意」事業になっている原因だと思いますが、生活保護費の使い道に「こだわる」ならば、これにもいい意味で「こだわら」ないとおかしいのでは、と思います。

 

生活困窮者や生活保護者は確かに「今日や明日」「今月や来月」をどう生き抜くかという「支援」も確かに大切ですし、それには「短期的な」視点で支援すればいいのです。

 

例えば

「勿体ないからお金を使わないで」

とか

「それを買うと、他のものが買えないよ」

とか。

 

しかし、仕事を始めて、生活保護や生活保護に準じた状態から抜け出せた時、次にどんな家計の目標が生まれますか?

 

それには「短期的な」支援だけでなく、ライフプランを立てた上で、それに向かって家計を維持するという「中・長期」的な支援=アドバイスが求められます。

 

ですから、是非とも、家計相談事業を多くの市町村で取り入れて欲しいと思います。

 

それができてこそ、支援される人も「安心して」羽ばたけるのではないか、と思うからです。

 

えらく長い文章になりましたが、活気ある地域を造る、支援が行き届いた街を造るチャンスですので、本気で取り組んで欲しいと思います。

 

ではまた、お会いしましょう!

 

 

 

 

 

 

 

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