先日、久し振りに東京佼成ウインドオーケストラの演奏会に行ってきました。しかも長野で!
今回の演奏会は「吹奏楽大作戦 in メセナ 2015 ~吹奏楽ポップスの父 岩井直薄に捧ぐ~」と銘打って須坂市文化会館メセナホールで開催されました。
東京佼成の演奏会は学生の頃から何回も聴きに行っているのですが、ポップスの演奏は聴いたことがあったかなかったかすら定かではありません。
あの「ニュー・サウンズ・イン・ブラス」シリーズのCDは何枚も持っていますし何曲も演奏したことがあるので、生で聴くことができる貴重なコンサートだと期待していました。
しかも指揮は齊藤一郎さんですし。
前半は吹奏楽名曲集として吹奏楽のオリジナル曲を3曲演奏。
中でもR.R.ベネット作曲「古いアメリカ民謡による組曲」は一時ハマっていたことを思い出し、感激しながらの鑑賞でした。
後半は「『ニュー。サウンズ・イン・ブラス』ベストヒット曲集。
スタートの「黒い炎」から客席を圧倒し、私の周辺の客席から驚きの声が。
ななめ後ろの女子高校生たちは「やばい、やばい、黒い炎、超うまくない?、超やばい、黒い炎、(以下続く)」と。
中盤には今回のコンサートのために一般募集したメセナウインドオーケストラと東京佼成との共演で「ディズニー・メドレー」「オーメンズ・オブ・ラブ」の2曲を演奏しました。
総勢100人の演奏でしたがよくまとまっており大雑把さが感じられなかった好演でした。
音楽、特にアンサンブルは上手な人と一緒に演奏するとそれだけで上達します。
今回公募で参加された方々にとっては憧れの東京佼成と演奏できたこともそうですが、個々人にとってレベルアップになったことと思います。
音圧の効いたロックな曲の後にはムーディなミディアムテンポの曲、といったようにプログラミングにも「超一流のプロオケ」を感じさせてくれました。
現代の吹奏楽はオリジナル編成の曲、管弦楽曲から編曲された曲や少人数の室内楽も演奏し、ジャズも映画音楽も、という多様性があるのも特徴のひとつです。
この吹奏楽の多様性や可能性を広げた重要な人物の一人が作編曲家の岩井直薄だということに違いないでしょう。
そして岩井さんとタッグを組んで新しい時代を切り開いたのが東京佼成ウインドオーケストラだということも確かでしょう。
岩井さんが昨年逝去されたことは悲しいことではありますが、宝石のように輝く作品をたくさん残してくださっています。
演奏している人も聴いている人も(むしろ聴いている人のほうが?)楽しめる音楽ってやっぱりいいですよね。
東京佼成ウインドオーケストラ 吹奏楽大作戦 in メセナ 2015 ~吹奏楽ポップスの父 岩井直薄に捧ぐ~
日時:2015年3月8日(日) 14時開演
会場:須坂市文化会館メセナホール 大ホール
出演:東京佼成ウインドオーケストラ
メセナウインドオーケストラ
指揮:齊藤一郎
主催:(一般)須坂市文化振興事業団
このコラムの執筆専門家
- 成澤 利幸
- (長野県 / 音楽家、打楽器奏者)
- 成澤打楽器音楽教室
音楽はみんなのもの
楽器の演奏は専門家からのちょっとしたアドバイスによりスムーズに上達したり音楽の奥深さに触れることがあります。ドラムやマリンバ、いろいろな打楽器のレッスンを通して皆さんのお力になれればと思います。
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