- 野平 史彦
- 株式会社野平都市建築研究所 代表取締役
- 千葉県
- 建築家
対象:住宅設計・構造
老夫婦のための終の住処となるので、
バリアフリーに配慮した暖かい家が望まれた。
当時私は都内で仕事をしていたので、
大学の恩師に頼んで、新・木造在来構法ができる工務店を紹介してもらった。
新・木造在来構法とは恩師が開発した高断熱・高気密の草分け的な構法である。
これで冬場の灯油代が今までの1/7になった。
おまけに冬場、家中の温度差が殆どない。
義母の想いがこもったユニークな家だが、
この夏、2年ぶりに帰省すると、義母がこう言った。
「一緒に絵を習っているお友達が、この家を描かせて欲しい、って言うのよ」
古レンガのタイルを貼って、亀の甲羅のような形をしたプランの上に
大屋根を掛けたこの家は、当時は変わった形をした家と思われていたが、
10数年の歳月を経て、風景に馴染む家になってきた様で、
ちょっと嬉しかった。
(夏場は木が生い茂って建物が見難いので、写真は冬に撮ったもの)