子供に見る仏教の学びの段階
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徒然日記
2014-12-31 09:00
つい先日、家族で出かけた際、3歳の息子が妻に甘えておりました。
どうやら歩き疲れたようで抱っこをせがみます。
荷物を持っていたこともあり無理なことを伝えられると、今度は怒り始め…。
怒ってもダメなことが分かると交渉を始めました。
「ちゃんと歩くから妖怪ウォッチのカード買ってくれる?」
その交渉が成功することもあれば失敗することもあります。
この日は成功せず、ガッカリして泣きそうな顔をしておりました。
しかし、最終的には自分の足で歩き始めます。
それを見て、大人も同じような過程を経るんだよなぁ…と、私一人、面白がって見ておりました(笑)
ブッダは肉体と精神の悩みを全て超越した世界を望みました。
「そんなものがあるわけが無い。」
と、父親からも言われたわけですが、それでも、永遠の幸せを求めて探究を続けるわけです。
結果、涅槃の世界というものを発見します。
死んだ後の世界ではなく、現実世界の中にあることが解ったのです。
ところが、ありのままの世界が見えない人達は、当然受け入れられません。
「そんな世界があるもんか!」
と、否定するのです。
道理を少し聞きかじっている途中、次は反発から怒りが現れてきます。
「あいつは周りの人達を巻き込んで出家させ、家族を困らせている。」
「自分の意見が正しいに決まっている!あいつの言うことがおかしいんだ!」
と、怒りを内に抱えて離れていくか、時にはぶつかることもあります。
それを乗り越えて話しを聞いている内に、今までの価値観を覆させられます。
すると次は、自分が信じていたものを守ろうと交渉の段階に入ります。
「でも、霊魂は実際にあるでしょう?」
「過去生を見たことがあるのだから輪廻転生だって間違いなくあるはずだ。」
などと、自分の考えの正しさを主張して、必死で守ろうとするのです。
それでも仏法を聞き続けていると、どこにも異論が付けられないことに気付きます。
何かのせいにしていた問題の全ては自分の内にあった上に、今まで信じていた幸せが仮初めの幸せだったという現実を突き付けられるのです。
「確かにその通りだけど、この現実はあまりに苦しい。これなら何かのせいにしていた方が楽だった…。」
と、心の奥底にあったドロドロとしたものが吹き出してきて落ち込みます。
吹き出してきた自分のエゴを受け容れて、現実を見つめていくと…。
ありのままの世界というものは、実は物凄く美しいものだったことが解るのです。
否定から怒りの感情が起こり、真理と交渉を始め、やはり真理が正しいことが解り落ち込み…。
最終的には、真理というものは苦しいわけでも何でもなく、心の闇を照らす唯一の灯だったことが解り、感謝の気持ちが湧き起る…。
真理を知ろうともせず、否定だけしているのが第一段階。
聞く事は聞いたけれど、怒りを覚えるのが第二段階。
真理の中から自分の価値観に合ったものだけを抜き出す第三段階。
深層に潜んでいたドロドロのエゴを見て落ち込む第四段階。
真理を受け容れて楽になっていく第五段階。
このような五段階を経て、やっと真理の入り口に立ったと言えるのだと思います。
真理を聞いて腑に落とすことと、知識として納得することは別物です。
納得して実践して行こう…と思ったところが、ようやく入り口なんです。
いや、もしかしたら入り口に立つどころか、入り口を見つけた段階かもしれません。
そのくらいブッダが発見した真理というものは奥深く、一生をかけて追及していく面白さがあるものなのです。
仏教の本をいくら読んでも、話しを聞いても、解るものではないのですが…。
よく分からない話でも、学びが進んでいくと受け止め方が変わっていき、徐々に深い話に付いていけるようになるのも仏教の面白いところです。
同じ話を聞いても、理解度によって意味合いも変わってくることがあります。
人は自分の経験したことしか解りません。
だからこそ、何度も何度も学んで実践して…と繰り返していき、自らの経験として落とし込んでいく必要があるのです。
本当に面白い仏教の学び。
さて、あなたはどの段階にいるのでしょう?
共に学びを深めていってみませんか?(^_-)-☆
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