第7章:ピープルの健康状態を調べよう
⑬チームワークを評価する基準を持とう
「Aさん、店頭の掃除って・・・」
「はい、もう終わっています!」
この店のスタッフは、チームワークが良いなあ~。
感じの良い店で食事をしたり買い物をしたりしていると、こんな風に感じることがあります。
レストランでもあるし、アパレルショップでもあるし、コンビニでもあります。
本屋さんでもあるなあ。ガソリンスタンドでも素晴らしいチームワークを感じることがあります。
でも、ダメダメな店もあります。
「Bさん、あのさあ~何やってんの?」
「・・・・・」
「ふう~」
このような、コミュニケーションの前に人間関係を何とかしないといけないようなギクシャクした店もあります。
まあ、こんな低レベルの店はともかくとして、コミュニケーションレベルが最高ステージまで行くと、それはそれは素晴らしいチームワークを発揮し始めます。
店の成長は「個人の成長」が基盤です。そして、それをチームで活かすと、さらに素晴らしい店になって行きます。
そう言う店では、たったひとりの素晴らしいスタッフに支えられているのでは無く、いついかなる時でも、誰が対応しても高いレベルでサービスが提供されます。
店長は、そのチームの監督です。いくらスーパースターを集めてきても「チームワーク」がガタガタだと、その素晴らしい能力を活かすことが出来ません。しかし、たとえスーパースターで無くても、スタッフ各自が、チームメンバー同士でカバーし合うことで、1+1=3にも4にもなるのです。
これは、チームとしての成長、つまり「チームワーク」の成長を、店長が目指していること。そして、きちんと全スタッフに「チーム目標」を理解させて、その達成度を評価しているから実現出来ていることなのです。つまり、「個人の成果」を評価して、成長を数値化することが大切なように、「チームワーク」も測定できる評価基準がある店、それを活用している店長が、素晴らしい「チームワーク」の店を作っていると言うことなのです。
では、そのチームワークのレベルってどういう段階があるのでしょうか。
ステージ1:言葉で伝える(リーダーの指示)
ステージ2:サインを使う~ルールーを決めて守らせる(仕組みの構築)
ステージ3:目と目で意思疎通が出来る(お互いを観察する)
ステージ4:あうんの呼吸(お互いを見ずとも動きや考えがわかる)
こんな感じでしょうか。
チームメンバーがお互いの癖や強み、特徴や考え方を理解し、それを受け入れていれば、「この状態だと、Bさんは、きっと好判断して、こう動くだろうから、次に必要なのはこれだね。」と、仲間の「次」を適確に推定するようになります。例えば、手術の最中に、医師が「メス」と言う前に、もうメスの準備をしている看護師さんのレベルですね。
もちろん、ここまでのレベルに行くには、相当な訓練が必要でしょう。しかし、「自分だったらこうする」というレベルから「相手はこうする」と言う、いわゆる「相手軸レベル」に到達すると、これが実現出来るようになるのです。
「自分はこう言う考えだから相手もこうして欲しい」と言う、自分中心の考え方では、決してチームワークは成長していきませんよね。
お互いを理解し、お互いを認め、共通の目的目標に向かうことで、チームワークは成長していきます。
これは、「個人」にも大きな影響を与えます。チームワークが成長していくのを実感すると、それは「自分の個人目標」の達成にも大きな助けになることが理解出来る様になるのです。仲間やライバルは、敵ではなく自分の援助者であることがわかるようになるのです。
自分の成果や業績ばかり考えているうちは、周りは敵だらけに感じます。しかし、仲間の成果に手をさしのべると、自分にも同じ物、いやそれ以上の成果が、ちゃんと帰ってくることを理解出来る様になります。
それが、「チームワーク」の評価基準です。
仲間を理解するために話し合う
仲間の特徴を受け入れる
仲間の声を聴く
仲間も動き、表情、眼を見る
仲間の次の動きを推定する
そして、それを先回りする
店舗ミーティングなどで、通常とは違う状態を想定してのシミュレーションをしてみることで、通常とは違う状態での仲間の考えや動きがわかります。どの考えや方法が最も効果的なのかは、それぞれが意見を言うことで理解出来る様になります。「自分が正しい」「相手が間違い」と、自己主張を繰り返すことで、かえって相手の事は理解出来なくなるのです。
さて、あなたの店の「チームワーク」は、どのステージにいますか?
ステージを上がることが出来るかどうか・・・それは、あなたのリーダーシップ次第です。
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