夫婦の絆を強める住いづくり 〜その2〜  つづき - リフォーム・増改築全般 - 専門家プロファイル

横山 彰人
株式会社横山彰人建築設計事務所 
建築家

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対象:リフォーム・増改築

森 幸夫
森 幸夫
(代表)
木下 泰徳
(アップライフデザイナー)

閲覧数順 2025年06月24日更新

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夫婦の絆を強める住いづくり 〜その2〜  つづき

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『建築家となら望みどおりの家が建つ』 建築家が明かす家づくりの極意 6-2
6-2 夫婦の部屋の考え方つづき

夫婦の為の間取りプラン



間取りプラン1.は、六十代の夫婦の寝室で、畳の生活が長かったので、ベッドの代わりに畳を床から40センチ上げ、その下を引き出しにして衣類を簡単に出し入れできるようにしています。

また、部屋の真ん中に高さ1.5メートルほどの家具を置くことによって、お互いの気配を感じながらもプライベートな時間を楽しむことができる空間となり、豊かで開放的な夫婦の寝室になりました。

間取りプラン2.をご覧ください。これは、50代の夫婦の住まいです。以前、二階には夫婦の寝室と子ども部屋がありました。しかし、子どもが独立後、妻が元子ども部屋へ移動し、妻の部屋として使用することになりました。

そこで、リフォームプランをいくつか描いてみました。どれも空いた子ども部屋のスペースを有効活用しながら、夫婦の粁をより深められるよう配慮したつくりになっています。子どもの独立後に始まる長い夫婦の暮らしにふさわしい間取りだと思います。


間取りプラン3.をご覧ください。これは30代の夫婦と小学生の子ども二人の四人家族の例です。
夫のいびきや就寝時間が異なることを理由に夫婦別寝室にしていたのですが、これでは、ただでさえ生活の時間帯の異なる夫婦にとって、コミュニケーションを育むことは困難です。

そこで、あえて同じ面積、同一空間の中で、さまざまな生活のシーンを想定して夫婦の寝室をつくつてみました。自分一人になりたい時や、趣味に没頭したい時に邪魔されない空間、そして夫婦で充実した時を過ごす空間、会話やお酒を楽しむ空間が同一空間の中にあるプランです。

また、閉鎖的な子ども部屋をオープンに開放し、夫婦の寝室からも子どもの気配を感じられるようにしました。さらにリビングルームをより充実させ、家族がそれぞれの自室に引きこもることなく、団らんが生まれるよう配慮しました。


この三つの案に共通しているのは、装置化された家具と、簡単な間仕切りだけで空間を分けているため、年代や必要に合わせて最小の予算で変えていくことができるということです。

寝室を別々にしたいという欲求には、さまざまな理由がありますが、「一人で気ままに自由に過ごしたい」、しかし二人だけの空間で「寝室の会話も楽しみたい」という矛盾した要望が含まれているケースも多々あります。

安易に別寝室を選択してしまうのではなく、希望を限りなく満たす工夫や努力を試みることが大切です。そのプロセスがあってこそ、お互いが歩み寄ったり、思いやる気持ちを汲み取りながら、夫婦だけの居心地の良い空間ができるのです。



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