
- 横山 彰人
- 株式会社横山彰人建築設計事務所
- 建築家
対象:リフォーム・増改築
- 木下 泰徳
- (アップライフデザイナー)
- 溝部 公寛
- (建築家)
夫婦の絆を強める住いづくり 〜その2〜
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『建築家となら望みどおりの家が建つ』
建築家が明かす家づくりの極意 6-2
2008-08-16 13:40
夫婦の部屋の考え方
いま改めて、どんな寝室が理想ですかという問いに、即座に答えられる夫婦はいないのではないでしょうか。
ただベッドを置いたり布団を敷くだけのスペースしかなく、家具で埋め尽くされた寝室は、夫婦にとって居場所とはなりえず、くつろぐべき寝室そのものが、ストレス源にさえなってしまっています。
夫婦は同室で過ごすことが、これまでは当然でしたが、夫婦別寝室も、寝室の形態として多くなってきています。
この現象は世界の中でも日本独自のもので、離婚率が最も高いアメリカ社会の中でも見られない傾向ですが、ここに日本の夫婦が置かれている特異な背景があるように思います。
しかしこんな不安定な夫婦関係は、夫婦にとって、また成長期を送る子どもにとっても、とても不幸だと思いますし、夫婦別寝室の意味が問われます。
夫婦別寝室派も同室派も、子育ての時代を含めたトータルなライフスタイルや人生設計の中で、夫婦の寝室をもっと考えるべきではないかと思います。
私は、「夫婦別寝室」を好ましいことだとは思っていません。また、夫婦間のコミュニケーションを育む家づくりが大切であるが、何も四六時中、夫婦がべったりくっついていろと言っているわけでもありません。
近年の女性の社会進出を考えてみても、女性も、男性が書斎を持ちたがるように、知的生産性を高める「自分だけの場所」を求めることは理解できます。また、精神医学界の研究では、同じ人と長時間顔を突き合わせていると、それだけでストレス度は高くなると言われています。
したがって、「一人になれる時間」「自分だけの場所」というものは、夫婦の精神衛生上においても重要でしょう。
ただ、私が危供するのは、一人になりたいがために、夫婦二人の場所が失われていくということです。
そこで、現代のワンパターンの寝室から脱却し、「多様化する夫婦像に合わせ、どんな寝室が考えられるのか」提案を試みたいと思います。
つづき・・・
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