「売上を伸ばし続ける店長」がしているPDCAのまわし方：その４２

第４章　DO：継続するための仕組みを作ろう・・・・継続は「仕組み」が無いと出来無いことを理解しよう
⑩スタッフと「他社競合店」「自社内ライバル店」「話題の店」を視察に行こう・・・・定期的に刺激を受けよう

「さあみんな、この店からどう言うことが学べるかな？」

その日、Ｎ店長は、3人の店舗スタッフを連れて、近くに新しく出来たショッピングセンターの中の競合店を視察に来ていました。

「あのホールの子、全然笑顔がない！」
「あの人店長かな・・・デシャップで怒っている声が聞こえてくるよ。」
「店頭で呼び込みしていなかったよね～」

スタッフ達は口々に、この競合店の「良くないところ」を口にします。このように競合店視察をすると、最初はだいたいこんな感じで「良くないところ」が眼に付き、それを話題にします。実は、これは、「まだ自分達の店に自信が無い」と言うスタッフ達の本音なのです。だから、競合店の「良くないところ」を感じて自分達を安心させているのです。

しかし、PDCAが進み「行動目標」を積み重ねていくと、目の前に変化が起きてきます。売上などの数字ももちろんなのですが、周りのスタッフや店長、そして誰よりもお客様の反応が違ってきます。それによりスタッフ達には小さな自信が芽生え始めます。

そのような時期に、競合店視察や、同じチェーン店内のライバル店を視察すると、今度は「良いところ」を観るようになります。態度も「見る」から「観る」に変化し、その気持ちも「批判的」なものから「学ぼう」という気持ちに変化していくのです。

「あのホールスタッフ、目配り気配りが凄いね。お客様のほんの小さな動きも見逃していないわ。」
「あのひと店長だよね。スタッフへの指示がスマートで良いわ～あの笑顔で指示されたらウキウキしちゃう。」
「店頭での呼び込みの時の笑顔が素敵だよね。あんな笑顔されたら思わず入っちゃうよね～」

このように、自然と競合店の良いところを観るようになれば、もう心配はありませんが、冒頭の様に「良くないところ」ばかり見ているような様子の場合は、引率している店長にはひと工夫が必要です。

競合店・ライバル店から何を学び自分達が何をするかを語り合おう

先ほども言ったように「批判的なスタッフの気持ちはとても不安」なのです。店長は、その気持ちを踏まえた上で、スタッフ達に「一歩前進する気持ち」を起こさせるようにしなくてはなりません。

「自分達も出来ていないが、競合店も出来ていない。だから安心。」
と言う気持ちから、
「自分達も出来ていないが、競合店も出来ていない。だから、自分達が先に成長するチャンスがある！」
に変化をさせるように、問いかけるのです。

競合店の様子を自分達の店に重ね合わせて、自分達が一歩前進するために「必要なこと」「障害になっていること」を確認するのです。そして、それを克服するための「自分達の強み」「自分達が持っているリソース」に眼を向けさせるのです。

「自分達には出来る力がある」
と自覚すれば、スタッフ達は必ず前進を始めます。
そのスタッフ達に、自覚を促す言葉がこれです。

「さあみんな、この店からどう言うことが学べるかな？」

ではまた明日。

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