50歳からは人生を楽しむ家づくり  9 - 住宅イメージ - 専門家プロファイル

小林 裕美子
ストゥーディオ ステラ 一級建築士事務所 
東京都
建築家

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対象:住宅設計・構造

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50歳からは人生を楽しむ家づくり  9

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災害の時に備えて  1

プラン作りの項では、日常生活の中での「もしもの時」のプラニングについて

書きました。東日本大震災を経験して、皆様も家について色々考えられたと

思いますが、今回はこうした自然災害に備えてプラニングと言うよりは、

家を建てたり、買ったりする時の基本的な前提条件を考えてみましょう。

津波に対する対策は、海のそばの低い土地に住まない・・・と言うくらいの

対策しかありません。従ってここでは揺れに対しての対策を考えてみます。


先ず考えられることは、余り上層階に住まないと言うことです。どんなに

耐震構造や免震構造で出来ている建物であっても、支点から離れれば

離れるほど揺れが大きくなります。高層ビルの場合、一般的には最上階と

真中階が一番揺れが大きいと言われています。それに近い上下階も

同様でしょう。大きな地震が起きた場合、建物自体は無事でも、

揺れによって家の中はぐちゃぐちゃ、飛んできたもので怪我をする等

危険がいっぱいです。従ってもし出来れば、そのあたりの階は成るべく

避けることが賢明です。

また地震やその他の災害で起こる停電などでエレベーターが止まったり、

水道のポンプが止まったりは容易に起こります。

普通一般の生活では、5階までが足で上り下り出来る限界と言われて

います。ですから対策としては5階以下の階に住むように考えたいものです。

また、水道も3階くらいまではポンプ無しで汲み上げられます。

勿論窓からの景色も大切なのは良く分かります。でも、、災害の対策を

メインに考えれば3階位までの階、高くても5階位までに住めれば

安全と言えます。


もう一つ、皆さんも実感としてお分かりと思いますが、単一エネルギーの住宅は

余りお勧めできません。電気が止まってもガスがある。ガスが止まっても電気がある。

これが災害の場合には大きな安心に繋がります。太陽光発電も、現時点では

発電できない時間帯は使用できませんが、電気が止まった場合には大変有効です

ので、設備していれば更に安心でしょう。



比較的古い建物にお住まいの方は災害の起きていない普段の生活時に、

出来るだけ点検修理をしておくことをお勧めします。

壊れかけた屋根瓦、錆がすごく出た鉄骨外階段など、危険と思われる部位は

この際修理しておけば、いざという時にとても安心と思います。


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